2018年5月16日水曜日

GROSS DIVIDEND YIELD(総配当利回り)とは?

株式の選定をしている時に、その株からどれだけの配当収入が得られるかは、とても関心がある情報です。

私も、初めてニュージーランドで株を購入しようとした時には、色々な会社の配当利回りを計算したものです。

例として、今日のコンタクト・エナジー(CEN) の数字で見てみましょう。

コンタクト・エナジー(CEN) の直近一年の配当は、去年8月の15セントと今年3月の13セントを足した28セントです。

そして、株価が$5.59なので、配当利回りは、配当金額を株価で割って年利5.0%、といった具合に計算していました。

配当利回り=配当金額÷株価

     =$0.28÷$5.59

     =5.0%

ところが、NZX(ニュージーランド株式市場)のサイトを見ると、GROSS DIVIDEND YIELD(総配当利回り)は6.982%となっています。

ん?

どうして、こんなに利回りが違うのか?

当時は、どうせニュージーランドのことなので(失礼)、サイトの計算間違いか何かだろうと考えたものです。

何しろ、スーパーで一本$1.00で売っているコーラが、1ダースのパック売りだと$14.00と値付けされているなど、まとめ売りの方が高かったりするお国柄だからです。

しかし、IMPUTATION CREDITのことを学んで、GROSS DIVIDEND YIELD(総配当利回り)が6.982%で間違いないということが分かりました。

(IMPUTATION CREDITについては、「配当通知書の見方 IMPUTATION CREDITとは」
を参照して下さい。)


上の例でいうと、配当金額$0.28は、法人税額28%を支払った後の金額ということになります。

従って、法人税額を支払う前の利益(配当原資)は、$0.28が配当原資の72%(100%-28%)に相当するので、$0.39となります。

配当原資=$0.28÷(1-0.28)

    =$0.39

確認してみましょう。

今日の株価$5.59に、GROSS DIVIDEND YIELD(総配当利回り)の6.982%を掛けると、見事$0.39になります。
 
配当(原資)=株価xGROSS DIVIDEND YIELD(総配当利回り)

      =$5.59x6.982% 

      =$0.39
 
このからくりを知っているのは決して損ではありません。

こんな比較は現実にはないのですが(価格変動の有無などリスクの違いがあるので)、例えばこのコンタクト・エナジーの株と、利息が6.0%の銀行預金の利回りを比較するとしましょう。

単純に配当を株価で割ったコンタクト・エナジーの利回りは5.0%なので、銀行預金の方が有利と判断してしまいます。

しかし、GROSS DIVIDEND YIELD(総配当利回り)のからくりを知っていれば、比較対象となる利回り(両方とも所得税を支払う前)は6.982%となり、コンタクト・エナジーの方が有利だと正しい判断を下すことができるからです。

ちょっとこじつけですが、言わんとすることは分かってもらえたでしょうか。


尚、最後に、先ほどの「お国柄」発言は、私の不徳の致すところであり、訂正し慎んでお詫びします。














 

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