私も、初めてニュージーランドで株を購入しようとした時には、色々な会社の配当利回りを計算したものです。
例として、今日のコンタクト・エナジー(CEN) の数字で見てみましょう。
コンタクト・エナジー(CEN) の直近一年の配当は、去年8月の15セントと今年3月の13セントを足した28セントです。
そして、株価が$5.59なので、配当利回りは、配当金額を株価で割って年利5.0%、といった具合に計算していました。
配当利回り=配当金額÷株価
=$0.28÷$5.59
=5.0%
ところが、NZX(ニュージーランド株式市場)のサイトを見ると、GROSS DIVIDEND YIELD(総配当利回り)は6.982%となっています。
ん?
どうして、こんなに利回りが違うのか?
当時は、どうせニュージーランドのことなので(失礼)、サイトの計算間違いか何かだろうと考えたものです。
何しろ、スーパーで一本$1.00で売っているコーラが、1ダースのパック売りだと$14.00と値付けされているなど、まとめ売りの方が高かったりするお国柄だからです。
しかし、IMPUTATION CREDITのことを学んで、GROSS DIVIDEND YIELD(総配当利回り)が6.982%で間違いないということが分かりました。
(IMPUTATION CREDITについては、「配当通知書の見方 IMPUTATION CREDITとは」
を参照して下さい。)
上の例でいうと、配当金額$0.28は、法人税額28%を支払った後の金額ということになります。
従って、法人税額を支払う前の利益(配当原資)は、$0.28が配当原資の72%(100%-28%)に相当するので、$0.39となります。
配当原資=$0.28÷(1-0.28)
=$0.39
確認してみましょう。
今日の株価$5.59に、GROSS DIVIDEND YIELD(総配当利回り)の6.982%を掛けると、見事$0.39になります。
配当(原資)=株価xGROSS DIVIDEND YIELD(総配当利回り)
=$5.59x6.982%
=$0.39
このからくりを知っているのは決して損ではありません。
こんな比較は現実にはないのですが(価格変動の有無などリスクの違いがあるので)、例えばこのコンタクト・エナジーの株と、利息が6.0%の銀行預金の利回りを比較するとしましょう。
単純に配当を株価で割ったコンタクト・エナジーの利回りは5.0%なので、銀行預金の方が有利と判断してしまいます。
しかし、GROSS DIVIDEND YIELD(総配当利回り)のからくりを知っていれば、比較対象となる利回り(両方とも所得税を支払う前)は6.982%となり、コンタクト・エナジーの方が有利だと正しい判断を下すことができるからです。
ちょっとこじつけですが、言わんとすることは分かってもらえたでしょうか。
尚、最後に、先ほどの「お国柄」発言は、私の不徳の致すところであり、訂正し慎んでお詫びします。
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