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2018年11月6日火曜日

ウェストパック銀行(WBC) 2018年度決算発表 「厳しい年の割に頑張った」

ウェストパック銀行(WBC) が2018年度の決算発表をしました。

「厳しい年の割に頑張った」

CEOの言葉です。

"In a difficult year, Westpac delivered a flat financial result."

意訳し過ぎでしょうか。

それでは、今回は趣向を変えて、ウェストパック(WBC) が挙げたハイライトに沿って決算結果を見てみましょう。

ハイライト1.純利益は8,095百万豪ドルで、前年比+1%。

2017年度2018年度増減伸び率
利息収入 (百万A$)(NET)$15,516$16,505$9896%
その他収入 (百万A$)$6,286$5,628-$658-10%
営業収入合計 (百万A$)$21,802$22,133$3312%
営業利益 (百万A$)$11,515$11,731$2162%
純利益 (百万A$)$7,990$8,095$1051%
1株当たり利益(Aセント)229.3230.10.80%

前年比で、営業収入+2%、営業利益+2%、純利益で+1%。

確かにフラットですが、逆風が吹き荒れる銀行業界の中では頑張ったと思います。

ハイライト2.現金ベース純利益は8,065百万豪ドルでほとんど変わらず。

ハイライト3.現金ベース1株当たり利益は236.2セントで、前年比▲1%。

現金ベース2017年度2018年度増減伸び率
現金利息収入 (百万A$)(NET)$15,704$16,339$6354%
現金その他収入 (百万A$)$5,852$5,612-$240-4%
現金営業収入合計 (百万A$)$21,556$21,951$3952%
中核利益 (百万A$)$12,451$12,365-$86-1%
現金ベース純利益 (百万A$)$8,062$8,065$30%
現金ベース1株当たり利益(セント)239.7236.2-3.5-1%

ここから現金ベースの数字が出てきます。

会計基準ベースの数字とほとんど変わりがないように見えますが、現金ベースの方が銀行の業績を見る時に好ましい数字だとのことです。

ハイライト4.現金ベースROE(株主資本利益率)は目標下限の13%。

現金ベース2017年度2018年度増減
株主資本利益率(ROE)13.77%13.00%▲77 basis points

現金ベースROE(株主資本利益率)は前年比で▲77ベーシス・ポイントとなりましたが、かろうじて目標である13%~14%の下限は確保したようです。

ハイライト5.普通株式等Tier1資本比率は10.6%で、オーストラリア健全性規制庁(APRA) の基準を満たしている。

2017年度2018年度増減
普通株式等 Tier1 (CET1)10.56%10.63%0.07%
その他 Tier 1 (AT1)2.10%2.15%0.05%
Tier1 合計12.66%12.78%0.12%
Tier 22.16%1.96%-0.20%
Tier1+Tier2 合計14.82%14.74%-0.08%

銀行の自己資本比率については、以下を参照して下さい。

⇒ 銀行の自己資本規制 オーストラリア4大銀行の自己資本比較

ハイライト6.銀行税は税引き前で378百万豪ドルで、1株当たり8セントに相当。

オーストラリアの銀行税は2017年7月から施行され、銀行預金などを除く借入金の0.015%相当額を四半期ごとに支払うそうです。

銀行だけを狙い撃ちした税で不公平感を持っているのか、7つしかないハイライトにわざわざ入れるなんて、無念さが伝わってきます。

ハイライト7.1株当たりの配当は前年度と変わらず94セント。

12月20日に最終配当1株当たり94セントが支払われ、2018年度の配当は合計で188セントとなります。

配当支払率(配当性向)は、現金ベース純利益の80%です。

尚、ハイライトにはなっておらず小さい字で書かれているだけですが、今年度に準備金として281百万豪ドルが引き当てられています。

これは、2008年以降、してもいない金融アドバイスに対して手数料を徴収していたことが発覚したことによる、返金費用や法律関連費用だとのこと。

とんでもないことです。

こんな不祥事がなければ配当は上がっていたのではないかと思うと、悔しくて夜も眠れません。

このところ銀行株は価格が低迷していますが、気持ちを引き締めて頑張ってもらいたいと思います。

















2018年6月3日日曜日

銀行の自己資本規制 オーストラリア4大銀行の自己資本比較

以前、「銀行の自己資本規制 ANZ銀行はどれくらいの自己資本があるのか?」で、以下のようなことを言って(しま)いました。

「今回はANZ銀行の資本構成だけを調べてみましたが、今後、他銀行の資本構成も調べて比較もしてみたいと思います。」

その約束を果たすために、各行の最新決算である2018年度前期決算報告書を調べました。

ただし、 決算時期の違いから、コモンウェルス・オーストラリア銀行(CBA)だけ2017年12月末の数字で、他の3行は2018年3月末の数字です。

オーストラリアの4大銀行といえば、

・ANZ銀行(ANZ)

・ウェストパック銀行(WBC)

・コモンウェルス・オーストラリア銀行(CBA)=ASB銀行の親会社

・ナショナル・オーストラリア銀行 (NAB)=BNZ銀行の親会社

の4行。


オーストラリアには、(ややこしいことに)自己資本を規制する基準が2つあります。

ひとつは、バーゼル銀行監視委員会のいわゆるバーゼルⅢ規制で、国際比較が可能なもの(以下、「国際基準」)。

そして、もうひとつが、オーストラリア独自の基準であるAPRA基準(以下、「APRA基準」)です。

APRAとは、Australian Prudential Regulation Authority (オーストラリア健全性規制庁)のことです。

APRA基準は、国際基準に加えて、住宅ローン分だけ更なる資本を独自に要求されているため、より厳しい基準となっています。

そして、APRAは、2020年1月1日までに、CET1(Common Equity Tier 1) 比率を10.5%以上にするように求めています。

前置きはこれくらいにして、実際にオーストラリア4大銀行の自己資本比率を見てみましょう。

まずは、APRA基準から。

APRA基準ANZWBCCBANAB
CET1(Common Equity Tier 1)11.0%10.5%10.4%10.2%
AT1(Additional Tier 1)1.9%2.3%2.0%2.2%
Tier 1(CET1+AT1)12.9%12.8%12.4%12.4%
Tier 22.0%2.0%2.4%2.0%
資本合計(Tier 1+Tier 2)14.9%14.8%14.8%14.4%

 
CET1(グラフの青色)を見ると、ANZ銀行が11.0%、ウェストパック銀行が10.5%と、既に2020年1月までに達成が要請されている10.5%基準をクリアしています。

特にANZ銀行は11.0%ですからブッチギリです。

これを見る限り、私の保有するANZ銀行のキャピタル・ノート(永久劣後債)も安泰でしょう。

それに対して、コモンウェルス・オーストラリア銀行の10.4%はあと一歩、ナショナル・オーストラリア銀行に至ってはあと三歩(?)といったところでしょうか。

頑張ってもらいましょう。

続いて、国際基準の方も見てみましょう。

国際基準ANZWBCCBANAB
CET1(Common Equity Tier 1)16.3%16.1%16.3%14.6%
AT1(Additional Tier 1)2.4%3.0%2.4%2.9%
Tier 1(CET1+AT1)18.7%19.1%18.7%17.5%
Tier 22.6%2.6%2.8%2.6%
資本合計(Tier 1+Tier 2)21.3%21.7%21.5%20.1%

 

バーゼルⅢが求めている国際基準の最低必要比率である、CET1の4.5%、AT1の1.5%、Tier 2の2.0%、合計8.0%を軽くクリアしています。

折角の国際基準ですから、世界の金融機関の中でオーストラリアの銀行がどれくらいの位置にあるのか興味があったのですが、打ってつけの資料を見つけました。

コモンウェルス・オーストラリア銀行(CBA)の2018年度前期決算報告書の97ページにありました。

2017年12月末時点の数字であり、更に、他3行の数字は2017年9月末時点と更に古いですが、おおよその感覚は掴めると思います。


銀行CET1 比率
1・・・21.7%
2CBA16.3%
3WBC16.2%
4ANZ15.8%

・・・
10NAB14.5%

・・・
16三井住友銀行13.3%

・・・
26WFC(USA)11.9%
27みずほ銀行11.9%

・・・
30三菱UFJ銀行11.5%


何と、2位から4位までをオーストラリアの銀行が占め、 ナショナル・オーストラリア銀行 (NAB)も10位に付けているではありませんか。

流石は、オーストラリアの厳しい基準にイジメられて、否、鍛えられて、自己資本は国際的に見ても十分に盤石です。

日本の大手銀行である、三井住友銀行が16位、みずほ銀行が27位、三菱UFJ銀行が30位であるところからも、その盤石性が際立ちます。

オーストラリアの4大銀行、見直しました。

それぞれの銀行の100ページを超える中間決算報告書を調べた甲斐があったというものです。

ということで、今回はオーストラリア4大銀行の自己資本の比較でした。








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