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2018年11月16日金曜日

ANZ銀行(ANZ)2018年度決算発表 増収増益も現金ベースでは減収減益

ANZ銀行(ANZ) の2018年度決算発表がありました。

会計基準ベースでは増収増益でした。

2017年度2018年度増減伸び率
利息収入 (百万A$)(NET)$14,875$14,514-$361-2%
その他収入 (百万A$)$4,523$5,317$79418%
営業収入合計 (百万A$)$19,398$19,831$4332%
営業利益 (百万A$)$10,431$10,583$1521%
純利益 (百万A$)$6,344$7,095$75112%
1株当たり利益(Aセント)208.8234.225.412%

前年度比、営業収入合計で+2%、営業利益で+1%、純利益で+12%。

しかし、現金ベースではどうでしょうか。

現金ベースとは、銀行間の比較や業績評価に、銀行業界で広く使われている数字です。


現金ベース2017年度2018年度増減伸び率
利息収入 (百万A$)(NET)$14,875$14,514-$361-2%
その他収入 (百万A$)$4,941$4,700-$241-5%
営業収入合計 (百万A$)$19,816$19,214-$602-3%
営業利益 (百万A$)$10,849$9,966-$883-8%
純利益 (百万A$)$6,809$6,487-$322-5%
1株当たり利益(Aセント)232.7223.4-9.3-4%

すると、前年度比で、営業収入合計で▲3%、営業利益で▲8%、純利益で▲5%と、減収減益となっています。

減収減益の要因としては、利息マージンの減少、アジアでの業務売却、2017年7月から導入された銀行税の支払いなどが影響したようです。

一方で、自己資本比率は盤石なようです。


2017.9.302018.9.30増減
普通株式等 Tier1 (CET1)10.6%11.4%0.8%
その他 Tier 1 (AT1)2.0%1.9%-0.1%
Tier1 合計12.6%13.3%0.7%
Tier 22.2%1.9%-0.3%
Tier1+Tier2 合計14.8%15.2%0.4%

オーストラリアの銀行業界は、金利不正操作問題などの不祥事や銀行税の導入で、逆風が吹いています。

そこに世界同時株安が起き、そのダブル効果で株価は低迷しています。


8月末9月末10月末11月15日
    ANZ (NZ$)      100968783
    WBC (NZ$)      100989286
    CBA (A$)      100999695
    WFC (US$)      100909189

8月末の株価を100とした11月15日現在の株価は、ANZ銀行で83、ウェストパック銀行で86、コモンウェルス銀行で95となっており、参考までアメリカのウェルズファーゴ銀行も89となっています。

しかし、ANZ銀行(ANZ)は、アジアでの業務縮小や生命保険会社の売却など業務のスリム化単純化も図ってきており、また、オーストラリアの銀行業界の純利益は、今後3年間で年率+4%ペースで増益基調との声も聞こえています。

配当の$1.60は前年同額で据え置きです。

ここは、DRP(配当再投資制度)を使った絶好の買い場と認識し、安定した配当を受け取りつつ、業績回復を待つことにしたいと思います。

2018年6月3日日曜日

銀行の自己資本規制 オーストラリア4大銀行の自己資本比較

以前、「銀行の自己資本規制 ANZ銀行はどれくらいの自己資本があるのか?」で、以下のようなことを言って(しま)いました。

「今回はANZ銀行の資本構成だけを調べてみましたが、今後、他銀行の資本構成も調べて比較もしてみたいと思います。」

その約束を果たすために、各行の最新決算である2018年度前期決算報告書を調べました。

ただし、 決算時期の違いから、コモンウェルス・オーストラリア銀行(CBA)だけ2017年12月末の数字で、他の3行は2018年3月末の数字です。

オーストラリアの4大銀行といえば、

・ANZ銀行(ANZ)

・ウェストパック銀行(WBC)

・コモンウェルス・オーストラリア銀行(CBA)=ASB銀行の親会社

・ナショナル・オーストラリア銀行 (NAB)=BNZ銀行の親会社

の4行。


オーストラリアには、(ややこしいことに)自己資本を規制する基準が2つあります。

ひとつは、バーゼル銀行監視委員会のいわゆるバーゼルⅢ規制で、国際比較が可能なもの(以下、「国際基準」)。

そして、もうひとつが、オーストラリア独自の基準であるAPRA基準(以下、「APRA基準」)です。

APRAとは、Australian Prudential Regulation Authority (オーストラリア健全性規制庁)のことです。

APRA基準は、国際基準に加えて、住宅ローン分だけ更なる資本を独自に要求されているため、より厳しい基準となっています。

そして、APRAは、2020年1月1日までに、CET1(Common Equity Tier 1) 比率を10.5%以上にするように求めています。

前置きはこれくらいにして、実際にオーストラリア4大銀行の自己資本比率を見てみましょう。

まずは、APRA基準から。

APRA基準ANZWBCCBANAB
CET1(Common Equity Tier 1)11.0%10.5%10.4%10.2%
AT1(Additional Tier 1)1.9%2.3%2.0%2.2%
Tier 1(CET1+AT1)12.9%12.8%12.4%12.4%
Tier 22.0%2.0%2.4%2.0%
資本合計(Tier 1+Tier 2)14.9%14.8%14.8%14.4%

 
CET1(グラフの青色)を見ると、ANZ銀行が11.0%、ウェストパック銀行が10.5%と、既に2020年1月までに達成が要請されている10.5%基準をクリアしています。

特にANZ銀行は11.0%ですからブッチギリです。

これを見る限り、私の保有するANZ銀行のキャピタル・ノート(永久劣後債)も安泰でしょう。

それに対して、コモンウェルス・オーストラリア銀行の10.4%はあと一歩、ナショナル・オーストラリア銀行に至ってはあと三歩(?)といったところでしょうか。

頑張ってもらいましょう。

続いて、国際基準の方も見てみましょう。

国際基準ANZWBCCBANAB
CET1(Common Equity Tier 1)16.3%16.1%16.3%14.6%
AT1(Additional Tier 1)2.4%3.0%2.4%2.9%
Tier 1(CET1+AT1)18.7%19.1%18.7%17.5%
Tier 22.6%2.6%2.8%2.6%
資本合計(Tier 1+Tier 2)21.3%21.7%21.5%20.1%

 

バーゼルⅢが求めている国際基準の最低必要比率である、CET1の4.5%、AT1の1.5%、Tier 2の2.0%、合計8.0%を軽くクリアしています。

折角の国際基準ですから、世界の金融機関の中でオーストラリアの銀行がどれくらいの位置にあるのか興味があったのですが、打ってつけの資料を見つけました。

コモンウェルス・オーストラリア銀行(CBA)の2018年度前期決算報告書の97ページにありました。

2017年12月末時点の数字であり、更に、他3行の数字は2017年9月末時点と更に古いですが、おおよその感覚は掴めると思います。


銀行CET1 比率
1・・・21.7%
2CBA16.3%
3WBC16.2%
4ANZ15.8%

・・・
10NAB14.5%

・・・
16三井住友銀行13.3%

・・・
26WFC(USA)11.9%
27みずほ銀行11.9%

・・・
30三菱UFJ銀行11.5%


何と、2位から4位までをオーストラリアの銀行が占め、 ナショナル・オーストラリア銀行 (NAB)も10位に付けているではありませんか。

流石は、オーストラリアの厳しい基準にイジメられて、否、鍛えられて、自己資本は国際的に見ても十分に盤石です。

日本の大手銀行である、三井住友銀行が16位、みずほ銀行が27位、三菱UFJ銀行が30位であるところからも、その盤石性が際立ちます。

オーストラリアの4大銀行、見直しました。

それぞれの銀行の100ページを超える中間決算報告書を調べた甲斐があったというものです。

ということで、今回はオーストラリア4大銀行の自己資本の比較でした。








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