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2019年5月20日月曜日

オーストラリア4大銀行株 保守連合逆転勝利で急騰



5月18日(土)にオーストラリア総選挙がありました。

選挙前は、労働党が有利との予想でしたが、蓋を開けてみると、保守連合(自由党、国民党)が奇跡の逆転勝利となりました。

モリソン首相の続投です。

ああ、そうなんだ、、、。

半ば他人事のように思っていました。

ところが、他人事どころか立派な「自分事」だったのです。

この選挙結果を受けて、本日オーストラリアの銀行株が文字通り急騰しました。

5月20日終値前日比
ANZ$27.72+$1.87+7.23%
CBA$77.45+$4.62+6.34%
NAB$25.80+$1.88+7.86%
WBC$27.60+$2.19+8.62%

何しろ、前日比で、ANZ銀行が+7.23%、コモンウェルス・オーストラリア銀行が+6.34%、ナショナル・オーストラリア銀行が+7.86%、そしてウェストパック銀行が+8.62%の上昇です。

繰り返しますが、選挙前の下馬評では労働党が有利でした。

そして、労働党政権下では銀行業界に対してより厳しい政策が実施されるだろうとの予想がなされていました。

より厳しい銀行税、王立委員会の提言の実施などです。

当然、株価にも織り込まれていました。

それがこの奇跡の逆転勝利によって、一気に巻き返された結果です。

このところ、悪い話しか聞かなかったオーストラリアの銀行業界でしたが、久々の朗報でした。

それにしても、政治がこんなに身近に感じられるとは!

投資で世界が広がります。








2019年5月16日木曜日

オーストラリア4大銀行の不祥事に伴う返金・引当金の総額まとめ



オーストラリアの4大銀行の不甲斐ない決算を見た際に気になったことがあります。

一連の不祥事に伴って、結局、最終的に一体いくらの返金・引当金が発生し、利益を圧縮した(する)のか?

そして、それはいつまで続くのか?

ということで、4大銀行である

ANZ銀行(ANZ)
コモンウェルス・オーストラリア銀行(CBA)
ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)
ウェストパック銀行(WBC)

の決算資料から、2019年3月31日時点の数字をまとめてみました。

(決算時期の違いから、ANZ、NAB、WBCは2019年度上半期決算資料、CBAは2019年度第3四半期決算資料を参照しました)

2018年度まで2019年度以降合計
ANZ$753$873$1,626
CBA$1,178$996$2,174
NAB$145$1,102$1,247
WBC$1,445$896$2,341
合計$3,521$3,867$7,388

まずANZは、2017~2018年度の2年間で753百万ドルを支払い、2019年度以降は合計で873百万ドルの負担(上期で175百万ドルの支払いと、3月末で698百万ドルの引当金計上)、合計で1,626百万ドルとなっています。

次にCBAは、2014~2018年度の5年間で1,178百万ドルを支払い、2019年度以降は合計996百万ドルの負担(上半期で282百万ドル、第3四半期で714百万ドル)、合計で2,174百万ドルとなっています。

そしてNABは、2018年度で145百万ドルの支払い、2019年度以降は2019年3月末に1,102百万ドルの引当金を計上し、合計で1,247百万ドルとなっています。

最後にWBCは、2016~2018年度の3年間で1,445百万ドルを引当て、2019年度以降は2019年3月末で896百万ドルの引当金を計上、合計では2,341百万ドルとなっています。

そして4大銀行合計では、2018年度までで3,521百万ドル、2019年度以降で3,867百万ドル、合計では何と7,388百万ドルに達しています。

途方もない金額です。

この問題はいつ収束するか未知数ということで、2022年度まで4年はかかるという意見や、負担額は10、000百万ドルに達する可能性があるという報道も見られます。

これからも要チェックです。


2019年5月13日月曜日

ウェストパック銀行(WBC) 2019年度上期決算発表 大幅減収減益



ウェストパック銀行(WBC) が、2019年度上期の決算を発表しました。

大幅な減収減益でした。

2018年度上期2019年度上期増減伸び率
利息収入 (百万A$)(NET)$8,278$8,263-$150%
その他収入 (百万A$)$2,805$1,716-$1,089-39%
営業収入合計 (百万A$)$11,083$9,979-$1,104-10%
営業利益 (百万A$)$6,035$4,555-$1,480-25%
純利益 (百万A$)$4,198$3,173-$1,025-24%
1株当たり利益(Aセント)123.792.3-31.4-25%

利息収入は対前年同期比でほぼ横だったものの、その他収入は▲39%で、営業収入合計で▲10%の減収でした。

営業利益も対前年同期比▲25%、純利益も▲24%。

1株当たりの利益も▲25%です。

現金ベースの数字も一応見てみましょう。

現金ベース2018年度上期2019年度上期増減伸び率
現金利息収入 (百万A$)(NET)$8,717$8,389-$328-4%
現金その他収入 (百万A$)$2,522$1,714-$808-32%
現金営業収入合計 (百万A$)$11,239$10,103-$1,136-10%
中核利益 (百万A$)$6,548$5,062-$1,486-23%
現金ベース純利益 (百万A$)$4,251$3,296-$955-22%
現金ベース1株当たり利益(Aセント)125.095.8-29.2-23%

もう敢えて数字はあげませんが、法定発表ベースと同様に、相当な減収減益です。

どうしてこんなことになったのか。

現金ベース純利益を部門別に見てみましょう。

(尚、下表の数字の一部には私の推測が入っていますが、悪しからず)

現金ベース純利益 部門別内訳2018年度上期2019年度上期増減伸び率
個人向け銀行業務$1,701$1,514-$187-11%
企業向け銀行業務$1,080$1,013-$65-6%
BTフィナンシャル・グループ(保険等)$406-$305-$711-175%
機関投資業務$554$543-$11-2%
ウェストパック・ニュージーランド$510$531$194%
現金ベース純利益合計 (百万A$)$4,251$3,296-$955-22%

1.個人向け銀行業務の▲11%は、調達コストの増加とローン・スプレッドの縮小による金利マージンの低下が原因とのこと。

2.企業向け銀行業務の▲6%には、顧客への返金等のために131百万ドルが引当てられており、それを除けば前年同期比+6%であったとのこと。

3.保険や年金を扱っているBTフィナンシャル・グループの▲175%には、620百万ドルの是正金等が含まれており、それを除くと前年同期比▲22%であったとのこと。

そして、その▲22%の要因は主に悪天候による保険金支払いによるものとのこと。

4.機関投資業務の▲2%は、主に金融市場収入の減少が要因であるとのこと。

5.ニュージーランドでの業務は、ローンと預金の両方が伸びて、前年同期比プラスとなったとのこと。

こうして見ると、返金費用や法律関連費用の影響は、2.の引当金131百万ドルと3.の是正金620百万ドル。

その他は、低金利や当局の規制によるコスト増、悪天候による要因のようです。

顧客への返金や是正金の支払いは、あといくら残っていて、いつまで続くのでしょうか。

今回の発表を受けて、クレイグス証券はウェストパック銀行を「売却」とし、フォーサイスバー証券は「保有」を継続しています。

私個人としては、この低金利時にとりあえず6%超の配当があるということで、保有を継続したいと思っています。

因みに、今回の配当は不変の94セントで、6月24日に支払われます。

そして、配当再投資に申し込んであれば、市場価格の1.5%ディスカウントで購入することができます。

もちろん手数料無料です。




2018年11月6日火曜日

ウェストパック銀行(WBC) 2018年度決算発表 「厳しい年の割に頑張った」

ウェストパック銀行(WBC) が2018年度の決算発表をしました。

「厳しい年の割に頑張った」

CEOの言葉です。

"In a difficult year, Westpac delivered a flat financial result."

意訳し過ぎでしょうか。

それでは、今回は趣向を変えて、ウェストパック(WBC) が挙げたハイライトに沿って決算結果を見てみましょう。

ハイライト1.純利益は8,095百万豪ドルで、前年比+1%。

2017年度2018年度増減伸び率
利息収入 (百万A$)(NET)$15,516$16,505$9896%
その他収入 (百万A$)$6,286$5,628-$658-10%
営業収入合計 (百万A$)$21,802$22,133$3312%
営業利益 (百万A$)$11,515$11,731$2162%
純利益 (百万A$)$7,990$8,095$1051%
1株当たり利益(Aセント)229.3230.10.80%

前年比で、営業収入+2%、営業利益+2%、純利益で+1%。

確かにフラットですが、逆風が吹き荒れる銀行業界の中では頑張ったと思います。

ハイライト2.現金ベース純利益は8,065百万豪ドルでほとんど変わらず。

ハイライト3.現金ベース1株当たり利益は236.2セントで、前年比▲1%。

現金ベース2017年度2018年度増減伸び率
現金利息収入 (百万A$)(NET)$15,704$16,339$6354%
現金その他収入 (百万A$)$5,852$5,612-$240-4%
現金営業収入合計 (百万A$)$21,556$21,951$3952%
中核利益 (百万A$)$12,451$12,365-$86-1%
現金ベース純利益 (百万A$)$8,062$8,065$30%
現金ベース1株当たり利益(セント)239.7236.2-3.5-1%

ここから現金ベースの数字が出てきます。

会計基準ベースの数字とほとんど変わりがないように見えますが、現金ベースの方が銀行の業績を見る時に好ましい数字だとのことです。

ハイライト4.現金ベースROE(株主資本利益率)は目標下限の13%。

現金ベース2017年度2018年度増減
株主資本利益率(ROE)13.77%13.00%▲77 basis points

現金ベースROE(株主資本利益率)は前年比で▲77ベーシス・ポイントとなりましたが、かろうじて目標である13%~14%の下限は確保したようです。

ハイライト5.普通株式等Tier1資本比率は10.6%で、オーストラリア健全性規制庁(APRA) の基準を満たしている。

2017年度2018年度増減
普通株式等 Tier1 (CET1)10.56%10.63%0.07%
その他 Tier 1 (AT1)2.10%2.15%0.05%
Tier1 合計12.66%12.78%0.12%
Tier 22.16%1.96%-0.20%
Tier1+Tier2 合計14.82%14.74%-0.08%

銀行の自己資本比率については、以下を参照して下さい。

⇒ 銀行の自己資本規制 オーストラリア4大銀行の自己資本比較

ハイライト6.銀行税は税引き前で378百万豪ドルで、1株当たり8セントに相当。

オーストラリアの銀行税は2017年7月から施行され、銀行預金などを除く借入金の0.015%相当額を四半期ごとに支払うそうです。

銀行だけを狙い撃ちした税で不公平感を持っているのか、7つしかないハイライトにわざわざ入れるなんて、無念さが伝わってきます。

ハイライト7.1株当たりの配当は前年度と変わらず94セント。

12月20日に最終配当1株当たり94セントが支払われ、2018年度の配当は合計で188セントとなります。

配当支払率(配当性向)は、現金ベース純利益の80%です。

尚、ハイライトにはなっておらず小さい字で書かれているだけですが、今年度に準備金として281百万豪ドルが引き当てられています。

これは、2008年以降、してもいない金融アドバイスに対して手数料を徴収していたことが発覚したことによる、返金費用や法律関連費用だとのこと。

とんでもないことです。

こんな不祥事がなければ配当は上がっていたのではないかと思うと、悔しくて夜も眠れません。

このところ銀行株は価格が低迷していますが、気持ちを引き締めて頑張ってもらいたいと思います。

















2018年6月3日日曜日

銀行の自己資本規制 オーストラリア4大銀行の自己資本比較

以前、「銀行の自己資本規制 ANZ銀行はどれくらいの自己資本があるのか?」で、以下のようなことを言って(しま)いました。

「今回はANZ銀行の資本構成だけを調べてみましたが、今後、他銀行の資本構成も調べて比較もしてみたいと思います。」

その約束を果たすために、各行の最新決算である2018年度前期決算報告書を調べました。

ただし、 決算時期の違いから、コモンウェルス・オーストラリア銀行(CBA)だけ2017年12月末の数字で、他の3行は2018年3月末の数字です。

オーストラリアの4大銀行といえば、

・ANZ銀行(ANZ)

・ウェストパック銀行(WBC)

・コモンウェルス・オーストラリア銀行(CBA)=ASB銀行の親会社

・ナショナル・オーストラリア銀行 (NAB)=BNZ銀行の親会社

の4行。


オーストラリアには、(ややこしいことに)自己資本を規制する基準が2つあります。

ひとつは、バーゼル銀行監視委員会のいわゆるバーゼルⅢ規制で、国際比較が可能なもの(以下、「国際基準」)。

そして、もうひとつが、オーストラリア独自の基準であるAPRA基準(以下、「APRA基準」)です。

APRAとは、Australian Prudential Regulation Authority (オーストラリア健全性規制庁)のことです。

APRA基準は、国際基準に加えて、住宅ローン分だけ更なる資本を独自に要求されているため、より厳しい基準となっています。

そして、APRAは、2020年1月1日までに、CET1(Common Equity Tier 1) 比率を10.5%以上にするように求めています。

前置きはこれくらいにして、実際にオーストラリア4大銀行の自己資本比率を見てみましょう。

まずは、APRA基準から。

APRA基準ANZWBCCBANAB
CET1(Common Equity Tier 1)11.0%10.5%10.4%10.2%
AT1(Additional Tier 1)1.9%2.3%2.0%2.2%
Tier 1(CET1+AT1)12.9%12.8%12.4%12.4%
Tier 22.0%2.0%2.4%2.0%
資本合計(Tier 1+Tier 2)14.9%14.8%14.8%14.4%

 
CET1(グラフの青色)を見ると、ANZ銀行が11.0%、ウェストパック銀行が10.5%と、既に2020年1月までに達成が要請されている10.5%基準をクリアしています。

特にANZ銀行は11.0%ですからブッチギリです。

これを見る限り、私の保有するANZ銀行のキャピタル・ノート(永久劣後債)も安泰でしょう。

それに対して、コモンウェルス・オーストラリア銀行の10.4%はあと一歩、ナショナル・オーストラリア銀行に至ってはあと三歩(?)といったところでしょうか。

頑張ってもらいましょう。

続いて、国際基準の方も見てみましょう。

国際基準ANZWBCCBANAB
CET1(Common Equity Tier 1)16.3%16.1%16.3%14.6%
AT1(Additional Tier 1)2.4%3.0%2.4%2.9%
Tier 1(CET1+AT1)18.7%19.1%18.7%17.5%
Tier 22.6%2.6%2.8%2.6%
資本合計(Tier 1+Tier 2)21.3%21.7%21.5%20.1%

 

バーゼルⅢが求めている国際基準の最低必要比率である、CET1の4.5%、AT1の1.5%、Tier 2の2.0%、合計8.0%を軽くクリアしています。

折角の国際基準ですから、世界の金融機関の中でオーストラリアの銀行がどれくらいの位置にあるのか興味があったのですが、打ってつけの資料を見つけました。

コモンウェルス・オーストラリア銀行(CBA)の2018年度前期決算報告書の97ページにありました。

2017年12月末時点の数字であり、更に、他3行の数字は2017年9月末時点と更に古いですが、おおよその感覚は掴めると思います。


銀行CET1 比率
1・・・21.7%
2CBA16.3%
3WBC16.2%
4ANZ15.8%

・・・
10NAB14.5%

・・・
16三井住友銀行13.3%

・・・
26WFC(USA)11.9%
27みずほ銀行11.9%

・・・
30三菱UFJ銀行11.5%


何と、2位から4位までをオーストラリアの銀行が占め、 ナショナル・オーストラリア銀行 (NAB)も10位に付けているではありませんか。

流石は、オーストラリアの厳しい基準にイジメられて、否、鍛えられて、自己資本は国際的に見ても十分に盤石です。

日本の大手銀行である、三井住友銀行が16位、みずほ銀行が27位、三菱UFJ銀行が30位であるところからも、その盤石性が際立ちます。

オーストラリアの4大銀行、見直しました。

それぞれの銀行の100ページを超える中間決算報告書を調べた甲斐があったというものです。

ということで、今回はオーストラリア4大銀行の自己資本の比較でした。








アーゴシー・プロパティー(ARG) 2019年度決算発表 増収増益

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