2019年5月13日月曜日

ウェストパック銀行(WBC) 2019年度上期決算発表 大幅減収減益



ウェストパック銀行(WBC) が、2019年度上期の決算を発表しました。

大幅な減収減益でした。

2018年度上期2019年度上期増減伸び率
利息収入 (百万A$)(NET)$8,278$8,263-$150%
その他収入 (百万A$)$2,805$1,716-$1,089-39%
営業収入合計 (百万A$)$11,083$9,979-$1,104-10%
営業利益 (百万A$)$6,035$4,555-$1,480-25%
純利益 (百万A$)$4,198$3,173-$1,025-24%
1株当たり利益(Aセント)123.792.3-31.4-25%

利息収入は対前年同期比でほぼ横だったものの、その他収入は▲39%で、営業収入合計で▲10%の減収でした。

営業利益も対前年同期比▲25%、純利益も▲24%。

1株当たりの利益も▲25%です。

現金ベースの数字も一応見てみましょう。

現金ベース2018年度上期2019年度上期増減伸び率
現金利息収入 (百万A$)(NET)$8,717$8,389-$328-4%
現金その他収入 (百万A$)$2,522$1,714-$808-32%
現金営業収入合計 (百万A$)$11,239$10,103-$1,136-10%
中核利益 (百万A$)$6,548$5,062-$1,486-23%
現金ベース純利益 (百万A$)$4,251$3,296-$955-22%
現金ベース1株当たり利益(Aセント)125.095.8-29.2-23%

もう敢えて数字はあげませんが、法定発表ベースと同様に、相当な減収減益です。

どうしてこんなことになったのか。

現金ベース純利益を部門別に見てみましょう。

(尚、下表の数字の一部には私の推測が入っていますが、悪しからず)

現金ベース純利益 部門別内訳2018年度上期2019年度上期増減伸び率
個人向け銀行業務$1,701$1,514-$187-11%
企業向け銀行業務$1,080$1,013-$65-6%
BTフィナンシャル・グループ(保険等)$406-$305-$711-175%
機関投資業務$554$543-$11-2%
ウェストパック・ニュージーランド$510$531$194%
現金ベース純利益合計 (百万A$)$4,251$3,296-$955-22%

1.個人向け銀行業務の▲11%は、調達コストの増加とローン・スプレッドの縮小による金利マージンの低下が原因とのこと。

2.企業向け銀行業務の▲6%には、顧客への返金等のために131百万ドルが引当てられており、それを除けば前年同期比+6%であったとのこと。

3.保険や年金を扱っているBTフィナンシャル・グループの▲175%には、620百万ドルの是正金等が含まれており、それを除くと前年同期比▲22%であったとのこと。

そして、その▲22%の要因は主に悪天候による保険金支払いによるものとのこと。

4.機関投資業務の▲2%は、主に金融市場収入の減少が要因であるとのこと。

5.ニュージーランドでの業務は、ローンと預金の両方が伸びて、前年同期比プラスとなったとのこと。

こうして見ると、返金費用や法律関連費用の影響は、2.の引当金131百万ドルと3.の是正金620百万ドル。

その他は、低金利や当局の規制によるコスト増、悪天候による要因のようです。

顧客への返金や是正金の支払いは、あといくら残っていて、いつまで続くのでしょうか。

今回の発表を受けて、クレイグス証券はウェストパック銀行を「売却」とし、フォーサイスバー証券は「保有」を継続しています。

私個人としては、この低金利時にとりあえず6%超の配当があるということで、保有を継続したいと思っています。

因みに、今回の配当は不変の94セントで、6月24日に支払われます。

そして、配当再投資に申し込んであれば、市場価格の1.5%ディスカウントで購入することができます。

もちろん手数料無料です。




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