2019年5月15日水曜日

ANZ銀行(ANZ)2019年度上期決算発表 減収減益だが現金ベースでは増益



ANZ銀行(ANZ)が、2019年度上期の決算を発表しました。

減収減益でしたが、現金ベースでは減収ながらも増益となっています。

まずは法定決算ベースから。

2018年度上期2019年度上期増減伸び率
利息収入 (百万A$)(NET)$7,350$7,299-$51-1%
その他収入 (百万A$)$2,887$1,994-$893-31%
営業収入合計 (百万A$)$10,237$9,293-$944-9%
営業利益 (百万A$)$5,356$4,536-$820-15%
純利益 (百万A$)$3,323$3,173-$150-5%
1株当たり利益(Aセント)108.6106.4-2.2-2%

営業収入は前年同期比▲9%、営業利益が▲15%、純利益が▲5%、そして1株当たり利益が▲2%と全てがマイナスでした。

住宅価格の低迷、低金利、是正金の支払い等、銀行業界への逆風が吹き荒れています。

次に現金ベースの数字を見てみましょう。

現金ベース2018年度上期2019年度上期増減伸び率
現金利息収入 (百万A$)(NET)$7,350$7,299-$51-1%
現金その他収入 (百万A$)$2,520$2,447-$73-3%
現金営業収入合計 (百万A$)$9,870$9,746-$124-1%
営業利益 (百万A$)$4,989$4,988-$10%
現金ベース純利益 (百万A$)$2,876$3,514$63822%
現金ベース1株当たり利益(Aセント)94.2116.822.624%

前年同期の数字が悪かったことから、営業収入は前年同期比▲1%だったものの、営業利益は±0%で、純利益は+22%、1株当たり利益は+24%となっています。

部門別の数字を見るために、継続事業の現金ベース純利益を見てみます。

(継続事業だけの数字なので上記表の現金ベース純利益とは数字が異なります)

継続事業 現金ベース純利益 部門別内訳2018年度上期2019年度上期増減伸び率
オーストラリア$1,983$1,733-$250-13%
機関投資業務$767$1,012$24532%
ニュージーランド$749$753$41%
ウェルス・オーストラリア-$26-$30-$4-15%
太平洋$33$33$00%
TSO&グループセンター-$13$63$76585%
継続事業 現金ベース純利益合計 (百万A$)$3,493$3,564$712%

すると、前年同期比でマイナスなのは、オーストラリア部門とウェルス・オーストラリア部門であることが分かります。

その他は前年同期と同等か増益です。

特に、機関投資業務は+32%の増益となっています。

気になる是正金の支払いは、以下の通りです。

(個人的な感想ですが、ANZ銀行の資料は知りたい数字が分かりやすく表示されていて、好感が持てます)

決算期是正金支払い金額
2017年度上期$51
     下期$102
2018年度上期$67
     下期$533
2019年度上期$175
累計$928
引当金(2019.3.31)$698
合計$1,626

是正金支払いは2年前から始まっており、累計では928百万ドルが支払われています。

そして、2019年3月31日現在、バランスシートには698百万ドルの引当金が載っているとのこと。

最終的には、この合計額の1,626百万ドルで済むのでしょうか。

まだまだ逆風は吹き続けるようですが、ここは忍の一字で、状況が好転するまで粛々と配当金を受け取っていきたいと思います。

今期の中間配当も、前期と同様の80セントで、7月1日に支払われます。



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