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2019年1月28日月曜日

ニュージーランドの銀行に対する自己資本規制強化


ニュージーランドでは現在、銀行に対する自己資本規制を強化する方向で検討がなされている。

大局的に見ればもちろん、来るべき金融危機に備えて銀行の体力をつけることはいいことである。

しかし、銀行に投資している身からすると、多少厳しい。

ニュージーランドの中央銀行は、銀行に対して、現在の資本の20%~60%の増加を求めようとしているのだ。

その量たるや、これから5年間に渡る銀行の利益の70%程度になるとのこと。

こんなことを書くと、金融についての無知を曝け出すことになるが、以下のことを危惧している。

1.これから5年間、利益の70%が資本の積上げに使われるとすれば、その分配当が減ってしまうのではないか?

2.資本の積上げを、利益の内部留保ではなく、新株発行によってなす場合でも、一株利益は希薄されて、配当は減ってしまうのではないか。

3.資本を積み上げるということは、結局、預金等の借入金よりも資本コストが高くなり、その結果貸出金利も上がると、貸出自体が減り、銀行の利益が減り、その結果配当も減ってしまうのではないか。

おっと、結局、どう転んでも、配当は減ってしまうではないか。

ということは、株価も下がってしまうではないか。

今のうちに、銀行株は売却してしまうべきか。

それとも、長い目で見て保有を続けるべきか。

これからちょっと考えていかなければならない。




2018年5月27日日曜日

銀行の自己資本規制 ANZ銀行はどれくらいの自己資本があるのか?

ANZ銀行発行のキャピタル・ノート(ANBHB) の話の続きです。

これまでの話は、「銀行の自己資本規制 Additional Tier 1、Tier 2 とは何ぞや?」をご覧下さい。

平時には高金利を享受できるが、金融危機などの際には毀損リスクがあるという永久劣後債。

毀損リスクなどと聞くと、恐ろしい限りです。

しかし、ただただ怯えているだけでは、話は先に進みません。

要は、発行元であるANZ銀行がしっかりしていればいい訳です。

ということで、ANZ銀行の2017年度のアニュアルレポート(年次報告書)を引っ張り出してきました。

そして、普段なら決して見ることのない後半の「注記」を見て、資本構成比率をまとめてみました。

2017 Annual Report 127ページ 「22.CAPITAL MANAGEMENT」より。

最低必要比率ANZ 2016年度ANZ 2017年度
Common Equity Tier 14.5%9.6%10.6%
Additional Tier 11.5%2.2%2.0%
Tier 22.0%2.5%2.2%
合計8.0%14.3%14.8%

資本構成の内容を、もう一度おさらいしてみます。

バーゼルⅢで認められる資本は以下の通りです。
 
・Common Equity Tier1:普通株、内部留保など

・Additional Tier1:優先株、永久劣後債など

・Tier2:期限付き劣後債、一般貸倒引当金など

そして、その最低必要比率は、それぞれ4.5%、1.5%、2.0%、合計8.0%です。

それに対して、ANZ銀行の資本構成比率はどうなっているのでしょう。

2016年度の比率は、それぞれ9.6%、2.2%、2.5%、合計14.3%。

そして、2017年度は、10.6%、2.0%、2.2%、合計14.8%です。
 
 かなりの余裕があるように見えます。

 バーゼルⅢ規制はまだ過渡期であり、また、各国政府がどれだけの自己資本比率を銀行に求めるかは各国に任されています。

そして、オーストラリアの当局(オーストラリア健全性規制庁)が定めた、2020年1月までに達成が求められている Common Equity Tier1 の最低必要比率は10.5%です。

2017年度のANZ銀行の Common Equity Tier1 の比率は10.6%ですから、既に達成していることになります。

ちょっと安心しました。

尚、参考までに、資本構成額は以下の通りとなっていました。

ANZ 2016年度ANZ 2017年度
Common Equity Tier 1$39,267$41,336
Additional Equity 1$9,018$7,988
Tier 2$10,328$8,669
合計$58,613$57,993


単位は百万ドル。

自己資本比率を求めるための分母となるリスク加重資産は、2016年度が408,582百万ドル、2017年度が391,113百万ドルです。

それぞれの年度のリスク加重資産額で、2016年度の自己資本58,613百万ドル、2017年度の自己資本57,993百万ドルを割ると、

2016年度 58,613百万ドル ÷408,582百万ドル=14.3%

2017年度  57,993百万ドル÷391,113百万ドル=14.8%

となります。

ほら、ちゃんと合ってます。

今回はANZ銀行の資本構成だけを調べてみましたが、今後、他銀行の資本構成も調べて比較もしてみたいと思います。

2018年5月26日土曜日

銀行の自己資本規制 Additional Tier 1、Tier 2 とは何ぞや?

私は、ANZ銀行発行のキャピタル・ノート(ANBHB) を保持しています。

発行は、2015年の4月。

利率は、年7.20%。

償還期限はありません。

証券会社からこの話を聞いた時は、その利率の高さに小躍りしたのですが、普通の債券とは違うので説明書をよく読んで納得して投資するようにと釘を刺されました。

よく読むようにと言われても、ようやく足し算引き算ができるようになった子供が、数Ⅲの教科書を渡されてよく読んでおくように言われたようなものです。

しかし、私にしてみれば大金をつぎ込むのですから、一所懸命読みました。

どうやら銀行の自己資本強化のための方策のようです。

強化されるなら、いいことじゃないですか。

そう思いました。
 
また、他の債券の利回りと比べて利率が高いということは、何かリスクがあるんだということは、言われなくとも分かっていました。

しかし、そのリスクがどうもピンと来ません。

「場合によっては、元本毀損もあり得ます」

と言われても、

「まあ、念のためそんなこと言ってるんだろうけど、天下のANZ銀行だから大丈夫だろう」


「場合によっては、ANZ銀行の株式に転換される場合があります」

と書かれてあっても、

「ANZ銀行の株式に転換されるなら、別に構わないな」

そんな感じでした。

実際に購入して早3年、3か月ごとに何事もなく利息が入金されています。

債券価格も、$1.0000が 今日現在$1.0575と値上がりしています。

しかし、それはそれとして、ミリオネアをめざす身としては、銀行の自己資本規制についてぐらい知っておかなくてはなりません。

そう思ってちょっと調べてみました。

これがまた中々分かりづらいのですが、今回は基本の基本をおさらいしたいと思います。

1988年にバーゼル銀行監視委員会が設立されました。

銀行の資本力を強化することによる、国際金融市場の安定性の向上が目的です。

その時決められたルールがバーゼル規制と言われるものです。

そういえば、サラリーマン時代に、

「BIS規制で自己資本が8%以上ないといけないので、それはちょっとあれですね」

などと、詳しいことは何も知らないくせに、知ったかぶりして話したことがあるのを思い出しました。

恥ずかしい限りです。

その後、2004年にリスク捕捉の精緻化のためにバーゼルⅡ規制となり、2008年の世界金融危機の後、その反省を踏まえて2010年に現在のバーゼルⅢ規制に強化され、現在はまだその過渡期だとのこと。

バーゼルⅡ、Ⅲの規制で自己資本と認められるのは、次の3つです。

・(Common Equity) Tier1:普通株、内部留保など

・Additional Tier1:優先株、永久劣後債など

・Tier2:期限付き劣後債、一般貸倒引当金など

ANZ銀行のキャピタル・ノート(ANBHB) は、Additional Tier1の永久劣後債に相当するようです。

Tier2債は、実質破綻時のみ元本の毀損リスクがあるのに対して、Additional Tier1債は、それに加えて自己資本比率などを基準に設定されたトリガーを下回った場合にも元本毀損リスクがあるとのこと。

また、発行体の裁量によって利払いが停止されるリスクがあるのもAdditional Tier1債。

より厳しいです。

2008年の世界金融危機の時には公的資金が注入されましたが、また同じような事態が起きた時には、その前に永久劣後債の価値をゼロにするということです。

「Loss absorbing」(損失の吸収)の役割です。

銀行の自己資本強化のためならいいじゃないか、などと思ったのは何とも浅はかで、その強化は私のような債権者の犠牲によってもたらされる訳です。

ANZ銀行なら大丈夫だろうなんて思っていましたが、ちょっと恐ろしくなってきました。

また、ANZ銀行の株式に転換される件についても、考えてみれば、破綻の危機にある銀行の株主になっても、嬉しいことは何もありません。

想像力の欠如で、かなり甘く考えていました。

破綻しないにしても、危機の場合の利払いは、銀行預金や普通社債が優先され、永久劣後債は優先順位は下から二番目(一番下は普通株式の配当)となります。

だからこその、高金利だった訳です。

ちょっと恐ろしい内容でしたが、知らないでいるよりも、知っている方がずっとよいです。

これで、銀行の自己資本規制のニュースを見た時に、より理解ができそうです。

それにつけても、思うこと。


どうか、金融危機など起きませんように。


















2018年5月7日月曜日

ニュージーランドの4大銀行は全てオーストラリアの銀行です

私は普段の生活ではもっぱらANZ銀行を使っています。
  
昔、日本の東京支店で口座を開設しました。

そして、たまに使うのがウェストパック銀行です。

かつて、オーストラリアに遊びに行く際にニュージーランドで口座を開設しました。

当時(今どうなのかは分かりません)、ニュージーランドで発行されたANZ銀行カードはオーストラリアでは使えなかったのと、ウェストパック銀行のカードであればオーストラリアでのATM引出し手数料が無料だったことが理由です。

更に、もうひとつの理由として、当時旅行準備で当たり前のようにトラベラーズチェックを買おうとした時に、

「それは恐竜時代の遺物ですね。今はデビットカードの時代ですよ」

と銀行の受付に言われたことも付け加えておきましょう。

ちょっとだけ悔しかったです。

尚、現在ではそのカードを主にオンラインショッピングの際に使いこなしています。

やっと時代に追いつきました。

さて、ニュージーランドの4大銀行といえば、

・ANZ銀行
・ウェストパック銀行
・ASB銀行
・BNZ銀行

です。

その中でも、ANZ銀行とウェストパック銀行がどうやらオーストラリアの銀行だということは薄々感じていました。

しかし、まさかASB銀行やBNZ銀行もオーストラリアの銀行だったとは考えもしませんでした。 


特にBNZは、その名もBANK OF NEW ZEALAND ですから尚更です。

何年か前に、たまたまBNZ銀行の債券を買ったり、オーストラリアのコモンウェルス銀行の株式を購入した際に下調べをしていてやっと知ったわけです。

振り返れば、投資というのはお金儲け、、、否、資金の提供を通じて社会に貢献するだけではなく、こうして社会を知るためにも役立っているのですね。

大したものです。

BNZ銀行は、 1861年にニュージーランドで創業されましたが、1992年にナショナル・オーストラリア銀行に買収されてその子会社になったそうです。

またASB銀行も、1847年にThe Auckland Savings Bank として創業されたものの、1989年にコモンウェルス・オーストラリア銀行に買収されたとのことです。

それにしても、こうやって全部オーストラリアに持っていかれるとは、一体ニュージーランドは何をしていたのでしょう。

ラグビーの試合などで、対オーストラリア戦だと妙に力が入っているように見えるのも、もしかするとこのような事情も裏にあるのではと邪推してしまいます。

そういえば何年か前に、生粋のニュージーランドの銀行であるTSB銀行が、CMでオーストラリアの銀行をダークスーツを着て悪だくみを企む悪の権化のように描いていたのを思い出しました。

ニュージーランド人からすれば、自分たちから掠め取った儲けを全てオーストラリアに持っていかれているようで悔しい思いをしているのかもしれません。

でも対処方法はあります。

その銀行の株主になって配当で取り返してやればいいではありませんか。

そしてミリオネアをめざせばいいのです。












アーゴシー・プロパティー(ARG) 2019年度決算発表 増収増益

アーゴシー・プロパティー(ARG) が、2019年度の決算を発表しました。 嬉しい増収増益です。 2018年度 2019年度 増減 % 売上(賃貸収入)(百万ドル) $101.0 $102.5 +$1.5 +1% 純利益(百万ドル) $98.2 $133...