今日の夕方のこと。
ゆっくりと茶の間で6時からのニュースを見ていたら、とんでもないニュースが飛び込んできました。
コモンウェルス・オーストラリア銀行(CBA) に700百万AUドルの罰金が科された、というのです。
それも、アンチ・マネーロンダリングとテロ資金対策法違反で。
700百万AUドルは、オーストラリアの会社が被る史上最高額の罰金だそうです。
何という事をしてくれたのでしょう。
慌ててネットニュースを見てみたところ、容疑は以下の通りでした。
コモンウェルス・オーストラリア銀行(CBA)には、「インテリジェント預入機械」というものがあるそうです。
インテリジェントなどと言っていますが、多分、日本の銀行のATMのようなものだと思います。
その機械を使って10,000ドル以上の現金が入金された場合には、10営業日以内に当局に届け出る義務があるとのこと。
ところが、(「single coding error」と書いてあったので推測すると)コンピューターのプログラムの不備で、53,700件分の報告が漏れてなされなかったのだと。
なーんだ、そんなことで?
そう思ったのは私だけでしょうか。
しかし、その報告がなされなかったために、大金がギャングの手に渡り、海外からの違法薬物の輸入に繋がった(かもしれない?)ということです。
正論のようなこじ付けのような。
何よりも、そんなことで(!?)、700百万AUドルの罰金が科されたのだとすると、株価も当然ガクッと下がっているのだと覚悟しました。
しかし、、、。
実際には、この発表がなされた後、一株$68.70だった株価が$70.23に急騰したとのこと。
+2.2%の上昇です。
どういうことでしょう?
どうやら、市場はもっと高い罰金を覚悟していたというのです。
理論上は、報告義務違反一件当たり18百万ドル とすると、53,700件の報告義務違反で、合計966,600百万ドル。
つまり、1兆ドル近くの罰金もありえたとのこと。
それが 700百万ドルの「はした金」で済んだのなら安いものだ、というところでしょうか。
怖い話です。
と言っても金額の話ではありません。
私が言う怖い話というのは、こんな事件が起きていたのに、今日まで私がそれを全く知らずにいたことです。
これからは、世界の出来事にもっと目を向けて、敏感でいたいと思ったのでした。
ただまあ、今回は「知らぬが仏」だったということで。
因みに、今日の終値は、急騰してからちょっと落ちて、前日比+$0.99の$69.69でした。
ニュージーランド株を中心にオーストラリア株、アメリカ株への投資を通じてミリオネアをめざしています。ポートフォリオは現金・預金・債券:株式=50:50で、インカムを確保しつつ成長を狙っています。基本的に株式は長期に保有し、配当再投資制度をフルに活用しています。
2018年6月4日月曜日
2018年6月3日日曜日
銀行の自己資本規制 オーストラリア4大銀行の自己資本比較
以前、「銀行の自己資本規制 ANZ銀行はどれくらいの自己資本があるのか?」で、以下のようなことを言って(しま)いました。
「今回はANZ銀行の資本構成だけを調べてみましたが、今後、他銀行の資本構成も調べて比較もしてみたいと思います。」
その約束を果たすために、各行の最新決算である2018年度前期決算報告書を調べました。
ただし、 決算時期の違いから、コモンウェルス・オーストラリア銀行(CBA)だけ2017年12月末の数字で、他の3行は2018年3月末の数字です。
オーストラリアの4大銀行といえば、
・ANZ銀行(ANZ)
・ウェストパック銀行(WBC)
・コモンウェルス・オーストラリア銀行(CBA)=ASB銀行の親会社
・ナショナル・オーストラリア銀行 (NAB)=BNZ銀行の親会社
の4行。
オーストラリアには、(ややこしいことに)自己資本を規制する基準が2つあります。
ひとつは、バーゼル銀行監視委員会のいわゆるバーゼルⅢ規制で、国際比較が可能なもの(以下、「国際基準」)。
そして、もうひとつが、オーストラリア独自の基準であるAPRA基準(以下、「APRA基準」)です。
APRAとは、Australian Prudential Regulation Authority (オーストラリア健全性規制庁)のことです。
APRA基準は、国際基準に加えて、住宅ローン分だけ更なる資本を独自に要求されているため、より厳しい基準となっています。
そして、APRAは、2020年1月1日までに、CET1(Common Equity Tier 1) 比率を10.5%以上にするように求めています。
前置きはこれくらいにして、実際にオーストラリア4大銀行の自己資本比率を見てみましょう。
まずは、APRA基準から。

CET1(グラフの青色)を見ると、ANZ銀行が11.0%、ウェストパック銀行が10.5%と、既に2020年1月までに達成が要請されている10.5%基準をクリアしています。
特にANZ銀行は11.0%ですからブッチギリです。
これを見る限り、私の保有するANZ銀行のキャピタル・ノート(永久劣後債)も安泰でしょう。
それに対して、コモンウェルス・オーストラリア銀行の10.4%はあと一歩、ナショナル・オーストラリア銀行に至ってはあと三歩(?)といったところでしょうか。
頑張ってもらいましょう。
続いて、国際基準の方も見てみましょう。

バーゼルⅢが求めている国際基準の最低必要比率である、CET1の4.5%、AT1の1.5%、Tier 2の2.0%、合計8.0%を軽くクリアしています。
折角の国際基準ですから、世界の金融機関の中でオーストラリアの銀行がどれくらいの位置にあるのか興味があったのですが、打ってつけの資料を見つけました。
コモンウェルス・オーストラリア銀行(CBA)の2018年度前期決算報告書の97ページにありました。
2017年12月末時点の数字であり、更に、他3行の数字は2017年9月末時点と更に古いですが、おおよその感覚は掴めると思います。
何と、2位から4位までをオーストラリアの銀行が占め、 ナショナル・オーストラリア銀行 (NAB)も10位に付けているではありませんか。
流石は、オーストラリアの厳しい基準にイジメられて、否、鍛えられて、自己資本は国際的に見ても十分に盤石です。
日本の大手銀行である、三井住友銀行が16位、みずほ銀行が27位、三菱UFJ銀行が30位であるところからも、その盤石性が際立ちます。
オーストラリアの4大銀行、見直しました。
それぞれの銀行の100ページを超える中間決算報告書を調べた甲斐があったというものです。
ということで、今回はオーストラリア4大銀行の自己資本の比較でした。
「今回はANZ銀行の資本構成だけを調べてみましたが、今後、他銀行の資本構成も調べて比較もしてみたいと思います。」
その約束を果たすために、各行の最新決算である2018年度前期決算報告書を調べました。
ただし、 決算時期の違いから、コモンウェルス・オーストラリア銀行(CBA)だけ2017年12月末の数字で、他の3行は2018年3月末の数字です。
オーストラリアの4大銀行といえば、
・ANZ銀行(ANZ)
・ウェストパック銀行(WBC)
・コモンウェルス・オーストラリア銀行(CBA)=ASB銀行の親会社
・ナショナル・オーストラリア銀行 (NAB)=BNZ銀行の親会社
の4行。
オーストラリアには、(ややこしいことに)自己資本を規制する基準が2つあります。
ひとつは、バーゼル銀行監視委員会のいわゆるバーゼルⅢ規制で、国際比較が可能なもの(以下、「国際基準」)。
そして、もうひとつが、オーストラリア独自の基準であるAPRA基準(以下、「APRA基準」)です。
APRAとは、Australian Prudential Regulation Authority (オーストラリア健全性規制庁)のことです。
APRA基準は、国際基準に加えて、住宅ローン分だけ更なる資本を独自に要求されているため、より厳しい基準となっています。
そして、APRAは、2020年1月1日までに、CET1(Common Equity Tier 1) 比率を10.5%以上にするように求めています。
前置きはこれくらいにして、実際にオーストラリア4大銀行の自己資本比率を見てみましょう。
まずは、APRA基準から。
| APRA基準 | ANZ | WBC | CBA | NAB |
| CET1(Common Equity Tier 1) | 11.0% | 10.5% | 10.4% | 10.2% |
| AT1(Additional Tier 1) | 1.9% | 2.3% | 2.0% | 2.2% |
| Tier 1(CET1+AT1) | 12.9% | 12.8% | 12.4% | 12.4% |
| Tier 2 | 2.0% | 2.0% | 2.4% | 2.0% |
| 資本合計(Tier 1+Tier 2) | 14.9% | 14.8% | 14.8% | 14.4% |
CET1(グラフの青色)を見ると、ANZ銀行が11.0%、ウェストパック銀行が10.5%と、既に2020年1月までに達成が要請されている10.5%基準をクリアしています。
特にANZ銀行は11.0%ですからブッチギリです。
これを見る限り、私の保有するANZ銀行のキャピタル・ノート(永久劣後債)も安泰でしょう。
それに対して、コモンウェルス・オーストラリア銀行の10.4%はあと一歩、ナショナル・オーストラリア銀行に至ってはあと三歩(?)といったところでしょうか。
頑張ってもらいましょう。
続いて、国際基準の方も見てみましょう。
| 国際基準 | ANZ | WBC | CBA | NAB |
| CET1(Common Equity Tier 1) | 16.3% | 16.1% | 16.3% | 14.6% |
| AT1(Additional Tier 1) | 2.4% | 3.0% | 2.4% | 2.9% |
| Tier 1(CET1+AT1) | 18.7% | 19.1% | 18.7% | 17.5% |
| Tier 2 | 2.6% | 2.6% | 2.8% | 2.6% |
| 資本合計(Tier 1+Tier 2) | 21.3% | 21.7% | 21.5% | 20.1% |
バーゼルⅢが求めている国際基準の最低必要比率である、CET1の4.5%、AT1の1.5%、Tier 2の2.0%、合計8.0%を軽くクリアしています。
折角の国際基準ですから、世界の金融機関の中でオーストラリアの銀行がどれくらいの位置にあるのか興味があったのですが、打ってつけの資料を見つけました。
コモンウェルス・オーストラリア銀行(CBA)の2018年度前期決算報告書の97ページにありました。
2017年12月末時点の数字であり、更に、他3行の数字は2017年9月末時点と更に古いですが、おおよその感覚は掴めると思います。
| 銀行 | CET1 比率 | |
| 1 | ・・・ | 21.7% |
| 2 | CBA | 16.3% |
| 3 | WBC | 16.2% |
| 4 | ANZ | 15.8% |
| ・・・ | ||
| 10 | NAB | 14.5% |
| ・・・ | ||
| 16 | 三井住友銀行 | 13.3% |
| ・・・ | ||
| 26 | WFC(USA) | 11.9% |
| 27 | みずほ銀行 | 11.9% |
| ・・・ | ||
| 30 | 三菱UFJ銀行 | 11.5% |
何と、2位から4位までをオーストラリアの銀行が占め、 ナショナル・オーストラリア銀行 (NAB)も10位に付けているではありませんか。
流石は、オーストラリアの厳しい基準にイジメられて、否、鍛えられて、自己資本は国際的に見ても十分に盤石です。
日本の大手銀行である、三井住友銀行が16位、みずほ銀行が27位、三菱UFJ銀行が30位であるところからも、その盤石性が際立ちます。
オーストラリアの4大銀行、見直しました。
それぞれの銀行の100ページを超える中間決算報告書を調べた甲斐があったというものです。
ということで、今回はオーストラリア4大銀行の自己資本の比較でした。
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