ANZ銀行(ANZ) の2018年度決算発表がありました。
会計基準ベースでは増収増益でした。
| 2017年度 | 2018年度 | 増減 | 伸び率 |
利息収入 (百万A$)(NET) | $14,875 | $14,514 | -$361 | -2% |
その他収入 (百万A$) | $4,523 | $5,317 | $794 | 18% |
営業収入合計 (百万A$) | $19,398 | $19,831 | $433 | 2% |
営業利益 (百万A$) | $10,431 | $10,583 | $152 | 1% |
純利益 (百万A$) | $6,344 | $7,095 | $751 | 12% |
1株当たり利益(Aセント) | 208.8 | 234.2 | 25.4 | 12% |
前年度比、営業収入合計で+2%、営業利益で+1%、純利益で+12%。
しかし、現金ベースではどうでしょうか。
現金ベースとは、銀行間の比較や業績評価に、銀行業界で広く使われている数字です。
現金ベース | 2017年度 | 2018年度 | 増減 | 伸び率 |
利息収入 (百万A$)(NET) | $14,875 | $14,514 | -$361 | -2% |
その他収入 (百万A$) | $4,941 | $4,700 | -$241 | -5% |
営業収入合計 (百万A$) | $19,816 | $19,214 | -$602 | -3% |
営業利益 (百万A$) | $10,849 | $9,966 | -$883 | -8% |
純利益 (百万A$) | $6,809 | $6,487 | -$322 | -5% |
1株当たり利益(Aセント) | 232.7 | 223.4 | -9.3 | -4% |
すると、前年度比で、営業収入合計で▲3%、営業利益で▲8%、純利益で▲5%と、減収減益となっています。
減収減益の要因としては、利息マージンの減少、アジアでの業務売却、2017年7月から導入された銀行税の支払いなどが影響したようです。
一方で、自己資本比率は盤石なようです。
| 2017.9.30 | 2018.9.30 | 増減 |
普通株式等 Tier1 (CET1) | 10.6% | 11.4% | 0.8% |
その他 Tier 1 (AT1) | 2.0% | 1.9% | -0.1% |
Tier1 合計 | 12.6% | 13.3% | 0.7% |
Tier 2 | 2.2% | 1.9% | -0.3% |
Tier1+Tier2 合計 | 14.8% | 15.2% | 0.4% |
オーストラリアの銀行業界は、金利不正操作問題などの不祥事や銀行税の導入で、逆風が吹いています。
そこに世界同時株安が起き、そのダブル効果で株価は低迷しています。
| 8月末 | 9月末 | 10月末 | 11月15日 |
ANZ (NZ$) | 100 | 96 | 87 | 83 |
WBC (NZ$) | 100 | 98 | 92 | 86 |
CBA (A$) | 100 | 99 | 96 | 95 |
WFC (US$) | 100 | 90 | 91 | 89 |
8月末の株価を100とした11月15日現在の株価は、ANZ銀行で83、ウェストパック銀行で86、コモンウェルス銀行で95となっており、参考までアメリカのウェルズファーゴ銀行も89となっています。
しかし、ANZ銀行(ANZ)は、アジアでの業務縮小や生命保険会社の売却など業務のスリム化単純化も図ってきており、また、オーストラリアの銀行業界の純利益は、今後3年間で年率+4%ペースで増益基調との声も聞こえています。
配当の$1.60は前年同額で据え置きです。
ここは、DRP(配当再投資制度)を使った絶好の買い場と認識し、安定した配当を受け取りつつ、業績回復を待つことにしたいと思います。
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