減収増益でした。
サザンカンパニー(SO)は、傘下にアラバマ電力、ジョージア電力、ガルフ電力、ミシシッピー電力などを擁する、アメリカ第二位の公益事業持株会社です。
決算結果の中身を見てみます。
まずは米国会計基準(GAAP)の数字から。
前年同期比で、売上は▲1%と減収ですが、営業利益、純利益は共に+9%で、一株利益も+7%の伸びとなっています。
ただし、この利益の伸びは、前年同期の一時的な費用の影響があったからで、その影響を取り除いた数字(Non-GAAP)で見てみると次のようになります。
前年同期比で、純利益は+3%、一株利益も+2%と、より控えめな伸びとなります。
実は、サザンカンパニー(SO) は、いくつか発電所建設の大幅な遅れからかなりの費用増大を抱えています。
それを具体的に見るために、今年度第1~第3四半期(9か月)の数字を見てみましょう。
営業費用の中の、建設関連推定損失を見て下さい。
2017年度第1~第3四半期の3,155百万US ドルの中には、建設が遅れているミシシッピー電力のケンパー石炭ガス化複合発電所関連の費用が含まれているとのことです。
また、2018年度第1~第3四半期の1,105百万USドルは、同様に建設が遅れ費用が嵩んでいるジョージア電力のボーグル第3、第4原子力発電所関連の推定費用だとのこと。
この発電所は2017年3月に破綻したウェスチングハウスが手掛けていたプロジェクトで、この絡みで親会社の東芝がガタガタになってしまった悪名高い発電所です。
こんなところで「自分の会社」(株主ですから!)が東芝の衰退と関連しているとは何と皮肉なことでしょう。
この一連の一時的費用を取り除いた数字がこちらです。
前年同期比で、売上が+4%、純利益+15%、一株利益+13%。
この数字だけ見ていると、非常にいい感じの会社となります。
因みに、今四半期の配当US$0.60は12月6日に支払われますが、サザンカンパニー(SO) は17年連続で増配している超優良企業です。
更に、増配または配当据置の期間は実に70年連続とのことです。
大したものです。
11月7日の終値は、前日比+2.93%のUS$47.01。
アメリカ中間選挙結果が予想通りだったという安心感の影響なのか、それともこの決算結果の影響なのか分かりませんが、3%近い株価上昇は気持ちがよいものです。
発電所の建設がどうなって行くのか不安もありますが、これからも頑張ってもらいましょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿