2018年11月12日月曜日

売上/営業利益/純利益 決算用語和訳の補足説明 その2.色々な利益

前回は「売上」について、実際には色々な英語の表現や内容があるものの、このブログでは「売上」という言葉に統一しているという話をしました。

⇒ 「売上/営業利益/純利益 決算用語和訳の補足説明 その1.売上」参照

今回は「営業利益」について語ろうと思いましたが、その前に色々な段階の利益について頭を整理しておきたいと思います。

再度言っておきますが、このブログはアカウンティングやファイナンスの試験対策講座ではありません。

従って、非常に大まかな概要だということを最初にお断りしておきます。

それでは、収益計算書の上から順に見ていきましょう。

1.売上


まず初めに登場するのは REVENUE などのいわゆる「売上」です。



2.売上総利益


「売上」から「売上原価」(COST OF GOODS SOLD) を引いたものが「売上総利益」(GROSS INCOME) になります。

「粗利益」ともいいます。



3.EBITDA


「売上総利益」から「販売費および一般管理費」(SELLING, GENERAL AND ADMINISTRATIVE EXPENSES=SG&A) を引いたものが「EBITDA」になります。

「EBITDA」だと?

なぜいきなり英語なんだ?

という方。

「利払い前、税引き前、減価償却費前、その他償却前利益」といえばいいですか?

長いので「EBITDA」で許して下さい。

「EBITDA」は、EARNINGS BEFORE INTEREST, TAXES, DEPRECIATION, AND  AMORTISATION の略です。

色々な読み方がありますが、私は「イービットディーエー」と言っています。

因みに、電力会社は「EBITDAF」という利益を業績評価に使っています。

「EBITDA」に、「公正価値調整前」(FAIR VALUE ADJUSTMENTS) が加わったものです。

大まかに言えば、公正価値=時価である(らしい)ので、ある項目を時価評価する前の利益(だろうと思われるの)ですが、ここはあまり細かいことは言わずに、とにかく電力会社は「EBITDAF」を業績評価に使っていると覚えておきましょう。



4.EBIT


「EBITDA」から「減価償却費とその他償却費」(DEPRECIATION AND AMORTISATION) を引いたものが「EBIT」となります。

「利払い前、税引き前利益」(EARNINGS BEFORE INTEREST, TAXES)です。

私はこれが本来の「営業利益」だと思っています。

「売上総利益」から「営業費用」(販売費および一般管理費+減価償却費とその他償却費)を引いたものだからです。

しかし、違うという意見もあります。

「EBIT」は、「営業利益」に「金利以外に発生する営業外損益」を加えた利益だというものです。

「売上」から順々に色々な費用を引いて「EBIT」までたどり着いたのに、一体どこで「金利以外に発生する営業外損益」が紛れ込んだというのでしょうか。

しかし、この議論はとりあえず置いておきましょう。



5.EBT


「EBIT」から「利息」(INTEREST) を引いたものです。

「税引き前利益」です。



6.NPAT


そして最後が「EBT」から「税金」(TAX) を引いた「NPAT」(NET PROFIT AFTER TAX)。

「税引き後利益」=「純利益」です。

ようやく「純利益」までたどり着きました。

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