2018年11月25日日曜日

配当にまつわる話2 配当落ち日前後どちらがいいかシミュレーション 

前回は、配当基準日と配当落ち日の関係について話をしました。

⇒ 「配当にまつわる話1 配当基準日(Record date) と配当落ち日(Ex-dividend date) 」参照

その際、最後のまとめで、こう述べました。

「その期の配当を受取りたい場合は、「配当基準日」の2日前=「配当落ち日」の1日前までに株を購入する、

その期の配当を受取らなくてもいいので、その分株式を安く買いたい場合は、「配当落ち日」以降に株を購入する」

果たして、直近の配当を取るべきか、それとも、安い株価を取るべきか。

ということで、理論上どちらの方が投資利回りがよいのか、以下の通りシミュレーションしてみました。

ケース1:配当落ち日よりも前に購入する(直近の配当から受け取れる)

ケース2:配当落ち日以降に購入する(直近の配当は受け取れない)

株の年間配当利回り:5%、10%、20%

前提:配当落ちした結果、配当分だけ株価は下落する。その他の条件は全て一定。

結論から先に言うと、

年間配当利回りが5%の株の場合、投資して21年目以降からケース2が有利になる。

年間配当利回りが10%の株の場合、投資して11年目以降からケース2が有利となる。

年間配当利回りが20%の株の場合、投資して6年目以降からケース2が有利となる。

どちらがいいかは、最終的には個々人の判断になります。

しかし、現実的に考えれば、ケース1の「配当落ち日よりも前に購入する」方が有利と思われます。

では、実際にシミュレーション結果を見てみましょう。

尚、具体的な数字は、スペースの関係上、5%の場合だけを示します。

赤く塗った方の累計配当利回りの方が有利となります。

<年間配当利回りが5%の株の場合の累積配当利回り比較シミュレーション>
ケース1 配当落ち日以前に購入した場合ケース2 配当落ち日以降に購入した場合
投資額上期配当下期配当年間配当累計配当額累計配当利回り投資額上期配当下期配当年間配当累計配当額累計配当利回り
11002.52.55.05.05.00%97.50.02.52.52.52.56%
21002.52.55.010.010.00%97.52.52.55.07.57.69%
31002.52.55.015.015.00%97.52.52.55.012.512.82%
41002.52.55.020.020.00%97.52.52.55.017.517.95%
51002.52.55.025.025.00%97.52.52.55.022.523.08%
61002.52.55.030.030.00%97.52.52.55.027.528.21%
71002.52.55.035.035.00%97.52.52.55.032.533.33%
81002.52.55.040.040.00%97.52.52.55.037.538.46%
91002.52.55.045.045.00%97.52.52.55.042.543.59%
101002.52.55.050.050.00%97.52.52.55.047.548.72%
111002.52.55.055.055.00%97.52.52.55.052.553.85%
121002.52.55.060.060.00%97.52.52.55.057.558.97%
131002.52.55.065.065.00%97.52.52.55.062.564.10%
141002.52.55.070.070.00%97.52.52.55.067.569.23%
151002.52.55.075.075.00%97.52.52.55.072.574.36%
161002.52.55.080.080.00%97.52.52.55.077.579.49%
171002.52.55.085.085.00%97.52.52.55.082.584.62%
181002.52.55.090.090.00%97.52.52.55.087.589.74%
191002.52.55.095.095.00%97.52.52.55.092.594.87%
201002.52.55.0100.0100.00%97.52.52.55.097.5100.00%
211002.52.55.0105.0105.00%97.52.52.55.0102.5105.13%
221002.52.55.0110.0110.00%97.52.52.55.0107.5110.26%
231002.52.55.0115.0115.00%97.52.52.55.0112.5115.38%
241002.52.55.0120.0120.00%97.52.52.55.0117.5120.51%
251002.52.55.0125.0125.00%97.52.52.55.0122.5125.64%

以下のグラフは、年間配当利回りがそれぞれ5%、10%、20%の株について、ケース1とケース2の累計配当利回りの差異を表しています。

その差異がプラスであればケース1が有利、マイナスであればケース2が有利となります。

<年間配当利回りが5%の株の場合>

投資してから19年目まではケース1が有利、20年目で同利回りとなり、21年目以降はケース2が有利となっています。

<年間配当利回りが10%の株の場合>


投資してから9年目まではケース1が有利、10年目で同利回りとなり、11年目以降はケース2が有利となっています。

<年間配当利回りが20%の株の場合>

投資してから4年目まではケース1が有利、5年目で同利回りとなり、6年目以降はケース2が有利となっています。

この場合、6年目以降の差は段々大きくなっていきますが、年間配当利回り20%というのはあまり現実的ではありません。

一方、現実的な年間配当利回り5%の株の場合、21年目以降でないとケース2は有利にならず、また、有利になってもその差異は僅かです。

ということで、どうせ配当基準日近辺で株を購入するのであれば、配当落ち日よりも前に購入した方がいいというのが、今回のシミュレーションの結論です。



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