2018年5月25日金曜日

電力業界 ニュージーランドの電力需要予想、今後30年で倍増

私は、5社のニュージーランド電力会社株を保有しています。

CEN=Contact Energy
GNE=Genesis Energy
MCY=Mercury Energy
MEL=Meridian Energy
TPW=Trustpower

そんな私にとって、今後のニュージーランドにおける電力需給の動向は、とても気になるところです。

5月24日の「The Press」で、うってつけの記事を見つけました。

それによると、今後30年で、ニュージーランドの電力需要が倍増するとのことです。

そのレポートを作成・発表したのは、トランスパワー(Transpower)。

全国の送電線を所有し運営を行っている、国所有の会社です。

現在、およそ年間40TWh(テラワット・アワー)の需要が、2050年までにおよそ90TWhまで伸びていくとのこと。

今後も電力需要が伸びていく要因としては、工場や自動車の電化が挙げられています。

技術の発展や、炭素エネルギーを排除しようとする圧力、費用効率などが、それを後押ししていくとのこと。

電化に伴う新たなビジネスも期待できます。

電力株保有者としても、今後の電力需要が増えていくという予想は大歓迎です。

しかし、実際には、そう手放しで喜んでもいられないようです。

ニュージーランドの電気は、そのほとんどが再生可能な方法で発電されています。

水力、風力、地熱、、、。

10年前には65%が、そして現在では85%が再生可能な方法による発電であるとのこと。

ニュージーランドのクリーンなイメージ通りです。

素晴らしい!

・・・通常な状況であれば。

問題は、冬です。

暖房需要が大幅に増える冬場は、再生可能な方法による発電だけでは、需要を賄えないのです。

聞くところによれば、原発を徐々に止めつつあるドイツでは、既に冬場の電力需給のひっ迫が現実のものとなって、工場などでの使用調整が何度も発生しているとのこと。

そして、それでもどうしようもなくなると、お隣のフランスから原発で発電した電力の融通を受ける必要があるらしいです。

笑えない冗談です。

しかし、ニュージーランドの隣にフランスはありません。

自国だけで何とかする必要があります。

一番手っ取り早い対応策は火力発電です。

しかし、電力が足りない時だけ稼働するのでは、相当コストがかかるため、政府の補助が必須となるでしょう。

今後も需要が増えていくとの予想は、株主として安心材料ですが、その供給体制をどのように整えていくのか。

電力業界は、どこまでそのコストを負担しなければならないのか。

これからも、注視していきたいと思います。








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