建設部門で多額の損失を出し経営陣を刷新して再生を図ろうとしているニュージーランド建設大手のフレッチャービルディング。
今期の最終配当もどうやら見送られるようです。
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フレッチャービルディングから送付されてきた新株割当の書類。 |
そんな フレッチャービルディングですが、先月4.46株に対して新株1株を発行する新株割当を 発表しました。
ほとんどの機関投資家は4月の時点で既に割当引受を決定していますが、果たして我々一般投資家はこの新株を引き受けるべきか?
5月11日までに答えを出さなければなりません。
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郵送、またはオンラインでも申し込みが可能。 |
新株発行発表時のフレッチャービルディングの株価は$6.27でした。
それに対して新株の割当価格は$4.80です。
23%のディスカウント 価格となっています。
新株発行後の理論価格(TERP=Teoretical Ex-Rights Price)は$6.00ですが、
$6.27 x 4.46 = 27.9642
$4.80 x 1 .00 = 4.8000
$6.00 x 5.46 = 32.7642
5月2日現在の終値は$6.24と$6.00を上回っています。
また機関投資家によって引き受けられなかった新株は、その後のブックビルドで入札が行われましたが、$6.15で売却されています。
この事実だけを見るとディスカウントされた価格での新株は考えるまでもなく引き受けてよいように思われますが、そう一筋縄では行かないようでもあります。
クレイグス・インベストメント・パートナーズ証券が4月24日に新株は引き受けるべきではないとレポートを発行しています。
確かにこの新株を発行し、また事業をニュージーランドとオーストラリアに集中するためにフォーマイカ等の国際事業を売却することによって、借入金が減少しバランスシートは改善されます。
しかし、一方で成長が見込まれるフォーマイカ事業等の売却で収益の伸びが期待できなくなります。
また、ニュージーランドでの建築需要も今がピークで、今後は伸び悩む可能性が高いようです。
そして、まだ8%しか完成していないプホイ・ワークワース間高速道路プロジェクト等のコスト増が懸念されるなど、 不確実性が払しょくされていないというのが理由です。
株式フォーラムというチャットサイトでも同様に「まだ膿は出し切れていないので自分は引き受けない」という声が聞こえています。
因みに、 クレイグス・インベストメント・パートナーズ証券は1年後のターゲット株価を$5.62としていますが、フォーサイス・バー証券は$6.50と見込んでいます。
専門家の間でも意見は割れているようです。
果たして、新株は引き受けるべきか。
フレッチャービルディングは、結果的に多額の損失を出しながらも、クライストチャーチに司法関連の総合庁舎を作ったり、高速道路を建設したりと、ニュージーランドのインフラ整備に貢献しています。
株主としては応援したい気持ちです。
ということで、もう少し情報を集めて考えてみたいと思います。
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