2018年11月28日水曜日

like-for-like とは?

like-for-like とは、既存(店、施設、物件)ベースで、という意味です。

LFLと略す場合もあります。

(例)like-for-like growth of 5.5% = 既存店ベースでの5.5%の売上増

   LFL sales = 既存店ベース売上

例えば、売上を前年同期と比較する場合に、新規開店した店の売上は除いて、前年同期に存在していた店(既存店)ベースで比較する際などに使われます。

すると、前年同期比で売上が+10%伸びていたとしても、それは新規開店した店の影響が大きく、それを除いた既存店の売上は▲10%だった、というようなニュアンスが伝わるという訳です。

この意味が分からずに決算書を読み飛ばしていたら、見かけの売り上げ増に騙されて、既存店ベースでの不調に気づかず大損してしまった、などということもあるかもしれません。

またひとつ勉強になりました。







2018年11月27日火曜日

ニュージーランド・リファイニング(NZR) 社債(15年無担保劣後債)申込み

証券会社からニュージーランド・リファイニング(NZR)(石油精製会社)の新発債のオファーがあって申し込みました。

債券の発行合計金額は75百万ドル。

一般公募はなく、全て幹事となった証券会社が顧客に割り振ることになっています。

このような機会の時は、フルサービスの証券会社と付き合いがあってよかったと思います。

1.金利


金利は、スワップ金利(5年)+2.50%~2.80%程度のマージンで、これからブックビルド・プロセスを経て11月29日に発表されます。

ただし、最低金利として5.10%が保証されています。

利払いは年2回、毎年3月1日と9月1日。

現在の銀行金利を見てみると、ANZ銀行の5年定期預金で3.80%、ラボダイレクト銀行の5年定期預金で4.00%です。

これらと比べると、最低でも5.1%の金利はかなり魅力的と言えるでしょう。

もちろん高配当の株式に比べれば利回りは劣りますが、株式と債券のアセットアロケーションの観点から今は債券が欲しかったので、いい機会を与えられました。

2.満期


満期は、2034年3月1日で、満期までの期間は約15年。

この債券に投資すべきか迷った最大の要因は、この満期までの期間が15年とかなり長いことでした。

しかし、この債券は5年毎に選択日(Election date)というものが設定されており、その時点で金利が見直されるとのこと。

そして、その際、投資家は投資を継続するか止めるかを選択することができます。

ということであれば、これから(数年先ではありますが)ニュージーランドで金利が上がり始めても、15年もの長期間に渡って低金利のままロックされることはなく、5年毎にその時の金利状況が反映されることになります。

従って、問題ないと判断しました。

それにしても、15年後ですか、、、。

15歳年を取った自分など全く想像できません。

3.債券の格付け等


この債券は無担保劣後債(unsecured, subordinated notes)です。

格付けもありません。

しかし、発行するニュージーランド・リファイニングの主要株主は、ニュージーランドの名だたる石油会社です。

株式保有比率は、

1.モービルオイル・ニュージーランド 17.20%
2.ゼットエナジー          15.36%
3.BP・ニュージーランド        10.10%

と、上位3社合計で42.66%を占めています。

また、この3社がそのまま大口の販売先でもある訳で、債券が紙くずになってしまう心配は余程のことがない限りないと考えます。

この債券の正式申込期間は、11月30日(金)から12月12日(水)までで、12月14日(金)に発行・割当されます。



 










2018年11月26日月曜日

フィッシャー&パイケル・ヘルスケア(FPH) 2019年度上期決算発表

フィッシャー&パイケル・ヘルスケア(FPH) が、2019年度上期の決算発表をしました。

堂々の増収増益です。

2018H12019H1増減伸び率
売上 (百万NZ$)$458.4$511.3$52.912%
営業利益 (百万NZ$)$115.0$139.0$24.021%
純利益 (百万NZ$)$81.3$97.4$16.120%

売上は、前年同期比+12%で、最高記録更新の511.3百万ドル。

営業利益は+21%の139百万ドル、純利益は+20%の97.4百万ドルでした。

2018H12019H1増減伸び率
1株当たり利益 (セント)14.1016.902.8020%
1株当たり配当 (セント)8.759.751.0011%

希薄化後の一株当たり利益は、前年同期比+20%の16.9セント。

一株当たり配当は、9.75セントで、前年同期比+1.00セント、+11%の増配です。

2019年度通期の見通しは、次の通りとなっています。

2018年度2019年度(予)増減伸び率
売上 (百万NZ$)$981$1,070$899%
純利益 (百万NZ$)$190$205-$210$15-$208%-10%

売上は、前年度比+9%の1,070百万ドル。

純利益は、+8%から+10%の、205百万ドルから210百万ドルを見込んでいるとのこと。

会社は、為替変動の影響を除いたベースで、今後も5~6年毎に売上を倍増させる目標を掲げています。

年率換算で、+12%強となります。

是非頑張ってもらいたいです。

ただ、そのためにどうしても気になるのがレズメッド(ResMed)との特許侵害訴訟の行方です。

現在、米国連邦地方裁判所、米国国際貿易委員会、米国特許公判審判部の他、イギリス、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランドで訴訟中であるとのこと。

この訴訟の帰趨については、今後も見守る必要があります。

しかし、このところ多少成長速度は減速しているものの、増収増益を続けており、まだまだ頑張っています。

引き続き継続投資です。








2018年11月25日日曜日

配当にまつわる話2 配当落ち日前後どちらがいいかシミュレーション 

前回は、配当基準日と配当落ち日の関係について話をしました。

⇒ 「配当にまつわる話1 配当基準日(Record date) と配当落ち日(Ex-dividend date) 」参照

その際、最後のまとめで、こう述べました。

「その期の配当を受取りたい場合は、「配当基準日」の2日前=「配当落ち日」の1日前までに株を購入する、

その期の配当を受取らなくてもいいので、その分株式を安く買いたい場合は、「配当落ち日」以降に株を購入する」

果たして、直近の配当を取るべきか、それとも、安い株価を取るべきか。

ということで、理論上どちらの方が投資利回りがよいのか、以下の通りシミュレーションしてみました。

ケース1:配当落ち日よりも前に購入する(直近の配当から受け取れる)

ケース2:配当落ち日以降に購入する(直近の配当は受け取れない)

株の年間配当利回り:5%、10%、20%

前提:配当落ちした結果、配当分だけ株価は下落する。その他の条件は全て一定。

結論から先に言うと、

年間配当利回りが5%の株の場合、投資して21年目以降からケース2が有利になる。

年間配当利回りが10%の株の場合、投資して11年目以降からケース2が有利となる。

年間配当利回りが20%の株の場合、投資して6年目以降からケース2が有利となる。

どちらがいいかは、最終的には個々人の判断になります。

しかし、現実的に考えれば、ケース1の「配当落ち日よりも前に購入する」方が有利と思われます。

では、実際にシミュレーション結果を見てみましょう。

尚、具体的な数字は、スペースの関係上、5%の場合だけを示します。

赤く塗った方の累計配当利回りの方が有利となります。

<年間配当利回りが5%の株の場合の累積配当利回り比較シミュレーション>
ケース1 配当落ち日以前に購入した場合ケース2 配当落ち日以降に購入した場合
投資額上期配当下期配当年間配当累計配当額累計配当利回り投資額上期配当下期配当年間配当累計配当額累計配当利回り
11002.52.55.05.05.00%97.50.02.52.52.52.56%
21002.52.55.010.010.00%97.52.52.55.07.57.69%
31002.52.55.015.015.00%97.52.52.55.012.512.82%
41002.52.55.020.020.00%97.52.52.55.017.517.95%
51002.52.55.025.025.00%97.52.52.55.022.523.08%
61002.52.55.030.030.00%97.52.52.55.027.528.21%
71002.52.55.035.035.00%97.52.52.55.032.533.33%
81002.52.55.040.040.00%97.52.52.55.037.538.46%
91002.52.55.045.045.00%97.52.52.55.042.543.59%
101002.52.55.050.050.00%97.52.52.55.047.548.72%
111002.52.55.055.055.00%97.52.52.55.052.553.85%
121002.52.55.060.060.00%97.52.52.55.057.558.97%
131002.52.55.065.065.00%97.52.52.55.062.564.10%
141002.52.55.070.070.00%97.52.52.55.067.569.23%
151002.52.55.075.075.00%97.52.52.55.072.574.36%
161002.52.55.080.080.00%97.52.52.55.077.579.49%
171002.52.55.085.085.00%97.52.52.55.082.584.62%
181002.52.55.090.090.00%97.52.52.55.087.589.74%
191002.52.55.095.095.00%97.52.52.55.092.594.87%
201002.52.55.0100.0100.00%97.52.52.55.097.5100.00%
211002.52.55.0105.0105.00%97.52.52.55.0102.5105.13%
221002.52.55.0110.0110.00%97.52.52.55.0107.5110.26%
231002.52.55.0115.0115.00%97.52.52.55.0112.5115.38%
241002.52.55.0120.0120.00%97.52.52.55.0117.5120.51%
251002.52.55.0125.0125.00%97.52.52.55.0122.5125.64%

以下のグラフは、年間配当利回りがそれぞれ5%、10%、20%の株について、ケース1とケース2の累計配当利回りの差異を表しています。

その差異がプラスであればケース1が有利、マイナスであればケース2が有利となります。

<年間配当利回りが5%の株の場合>

投資してから19年目まではケース1が有利、20年目で同利回りとなり、21年目以降はケース2が有利となっています。

<年間配当利回りが10%の株の場合>


投資してから9年目まではケース1が有利、10年目で同利回りとなり、11年目以降はケース2が有利となっています。

<年間配当利回りが20%の株の場合>

投資してから4年目まではケース1が有利、5年目で同利回りとなり、6年目以降はケース2が有利となっています。

この場合、6年目以降の差は段々大きくなっていきますが、年間配当利回り20%というのはあまり現実的ではありません。

一方、現実的な年間配当利回り5%の株の場合、21年目以降でないとケース2は有利にならず、また、有利になってもその差異は僅かです。

ということで、どうせ配当基準日近辺で株を購入するのであれば、配当落ち日よりも前に購入した方がいいというのが、今回のシミュレーションの結論です。



アーゴシー・プロパティー(ARG) 2019年度決算発表 増収増益

アーゴシー・プロパティー(ARG) が、2019年度の決算を発表しました。 嬉しい増収増益です。 2018年度 2019年度 増減 % 売上(賃貸収入)(百万ドル) $101.0 $102.5 +$1.5 +1% 純利益(百万ドル) $98.2 $133...