アーゴシー・プロパティー(ARG)の投資家向け運用報告会に行ってきました。
この報告会の概要については、「アーゴシー・プロパティー(ARG)の投資家向け運用報告会の案内が来ました」をご覧下さい。
今年はいつものエアフォース・ミュージアムの会場がほぼ満席になる大盛況でした。
出席者は年配の方々ばかりでアジア人は私ひとりです。
内容は、5月23日に発表になった、アーゴシー・プロパティー(ARG) の2018年度決算発表 に沿ったものでしたが、 いくつか面白い話が聞けました。
アーゴシー・プロパティー(ARG)が所有する不動産は、オークランドが7割、ウェリントンが2割強、残りが1割弱と、ほぼオークランドに集中しています。
そのオークランドの地価はかなり高騰しきっていて、現状以上に不動産を購入しても十分な利益を上げられる状況にはないとのこと。
そこで、現在は物件の数を増やすのではなく、物件の質を高める戦略を取っているとの説明でした。
「量より質」戦略です(私が勝手に名付けました)。
ということで、所有している不動産で戦略に合わないものは、プレミアムのついた価格で売却も進めているとのこと。
また、資産に対する借入金の割合、つまり借入比率のターゲットを、35%~40%から30%~40%へと、下限を低く変更しています。
そして売却益で借入金を返済して、ターゲットの下限である30%に近づけ、いつかしかるべき物件が出た時に柔軟な対応が取れるようにするとのこと。
因みに、現在の借入比率は35.9%です。
Q&Aで株主からDRP(配当再投資制度)の復活はないのかと聞かれた際も、現状出資金を増やしても十分な利益を生み出す購入物件がないため、しばらくは復活はないと答えていました。
これだけ聞くと、まるで事業を縮小しているように聞こえますが、決してそうではありません。
不動産の「グリーン・ビルディング化」を進めて、質を高め、テナントに高付加価値の不動産を提供することで、賃貸料の値上げに成功しているとのことです。
例えば、部屋の明るさを感知して自動的に照明を調整するシステムを導入して、テナントの電気代負担を軽減する。
また、物件の屋根に降った雨水を集め、浄化した水をお手洗いなどで使って、テナントの水道代を減らすなどです。
そのような物件を提供することによって、テナントの総経費節減を訴え、賃貸料の値上げを勝ち取るとは、なんという攻めの姿勢でしょうか。
また、この「グリーン・ビルディング化」は賃貸料を上げるだけではなく、物件価値も上げるので、まさに一石二鳥の戦略と言えるでしょう。
こんな不動産業界の最前線の話を聞けるというのも、報告会の醍醐味だと思います。
そして、今年も、アーゴシー・プロパティー(ARG)への投資が間違っていないことを確信させてくれました。
今年も出席してよかったです。
ニュージーランド株を中心にオーストラリア株、アメリカ株への投資を通じてミリオネアをめざしています。ポートフォリオは現金・預金・債券:株式=50:50で、インカムを確保しつつ成長を狙っています。基本的に株式は長期に保有し、配当再投資制度をフルに活用しています。
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