2018年10月31日水曜日

フェイスブック(FB)2018年度第3四半期決算発表 増収増益

アマゾン(AMZN)、アルファベット(GOOG)に引き続いて、フェイスブック(FB)の2018年度第3四半期の決算発表がありました。

   2017Q3  2018Q3    増       %
    売上    $10,328    $13,727   +$3,399    +33%
 営業利益     $5,122     $5,781     +$659    +13%
   純利益     $4,707     $5,137     +$430     +9%
 一株利益      $1.59      $1.76     +$0.17    +11%

前年同期比で、売上+33%、営業利益+13%、純利益+9%、一株利益(希薄後)+11%。

お見事な増収増益です。

今や世界中で20億人以上が利用しているという利用者(もちろん私もその一人)の状況を見てみましょう(単位:百万人)。                                                                    
                
            DAUs  2017Q3  2018Q3    増        %
     アメリカ、カナダ       185       185    ±0    ±0%
        ヨーロッパ       274       278    +4     +1%
  アジア、パシフィック       476       561     +85    +18%
          その他       433       470     +37     +9%
           合計     1,368     1,494    +126     +9%

DAU (Daily Active User =1日に実際に利用した人数)ベースでは、前年同期比で+9%の伸びとなっています。

アメリカ、カナダは伸び率ゼロ、ヨーロッパが+1%の伸びとほぼ横ばいですが、アジア、パシフィックやその他では、それぞれ+18%、+9%と増加しています。

           MAUs  2017Q3  2018Q3    増        %
     アメリカ、カナダ       239       242       +3      +1%
        ヨーロッパ       364       375      +11      +3%
 アジア、パシフィック       794       917    +123     +15%
          その他       675       736      +61      +9%
           合計     2,072     2,270    +198    +10%
MAU (Monthly Active User = 月に実際に利用した人数)ベースでも、前年同期比で+10%の伸びでした。

若者のフェイスブック離れですって?

どうぞどうそ。

それはそうと、どうもこのところ気になる、決算発表後の株価に影響を与えている市場予想と比較しての、今回の決算数字はどうだったでしょうか。

   市場予想  2018Q3    増        %
    売上   $13,800    $13,727      ($73)     -1%
 一株利益     $1.47      $1.76     $0.29    +20%
売上は、ほんのちょっと予想を下回ったことから  "Disappointing" (失望させた) と表現する記事も中には見受けられましたが、私に言わせればほぼ予想通りで、その一方で、一株利益は、予想比+20%と大きく上回っています。

これを受けて株価は、10月30日の終値US$146.22から、決算発表後の時間外取引ではUS$150.80(終値比+3.13%)と、めでたく上昇しています。

よかった、よかった。

ところで、気になるフリーキャッシュフローはどうでしょうか。

  2017Q3 2018Q3    増        %
   営業活動キャッシュフロー    $6,128    $7,496   +$1,368    +22%
                  資本支出    $1,755    $3,343   +$1,588    +90%
        フリーキャッシュフロー    $4,373    $4,153    ($220)     -5%

営業活動から得られたキャッシュフローは前年同期比+22%と伸びていますが、事業維持のための資本支出が+90%と増大したため、フリーキャッシュフローは前年同期比で▲5%と減少しています。

問題となったセキュリティー強化のための支出が膨らんでいるのでしょう。

しかし、以前も書いた通り、セキュリティー強化のための支出が必要だということは、それは他社が追随しようとする場合にもかかるコストなので、ある意味新規参入障壁の役割を果たすのではないかと思われます。

ですから心配には及びません(と自分にも言い聞かせています)。

ということで、今回の決算は増収増益。

一連の株価水準修正が終わったら、またフェイスブック(FB)は快進撃を続けていくことでしょう(と自分にも言い聞かせています)。








2018年10月30日火曜日

ティルト・リニューアブルズ(TLT)買収派の攻勢

10月29日(月)は、延期されたティルト・リニューアブルズ(TLT)の買収受諾期限でした。

どうなったのだろうと思っていたところ、前日の28日付で買収側から株主に向けて手紙が発せられていました。

(実際に、この手紙がNZXのウェブサイトに掲載されたのは10月30日(火)の8:30で、私もそれで知りました。)

それによると、

1.買収側は既に発行株式の83%を入手した。

2.もしも買収側が90%以上を入手できない場合、買収提案を受け入れていない株主は少数株主となり、流動性が更に減った状況で、今後買収価格水準では売却できなくなる可能性がある。

3.世界的に株式市場が下落し、10月初めからニュージーランド株式市場のベンチマークも▲8.1%下落する中、買収価格の$2.30は魅力的である。

4.株主がこの状況を熟慮して判断できるように、受諾期限を11月13日(火)まで延期する。

とのことです。

受諾期限の再延期です。

今まで反対派の主張に賛同して受諾しなかった私ですが、今回の買収側の論理はすんなりと入って来てしまいました。

株式入手が83%まで達していたというのも驚きですが、それよりも現在の株式市場の状況下において、下落前に発表された買収価格に魅力を感じてしまったのです。

こんな考え方がいいかどうかわかりませんが、現在の買収価格もベンチマークと同様に▲8.1%下落した価格と考えると、元々の買収価格は$2.50だったと考えられなくもありません。

$2.30÷(1-0.081)=$2.50

反対派が主張していた価値である$2.56~$3.01の下限に近づきます。

さて、どうしたもんでしょうか。

11月13日までもう少し状況を見守りたいと思いますが、受諾すれば売却代金は一週間以内に入金されるので、決断は早いに越したことはありません。

どうする、ミスターミリオネア(まだなっていませんが)?

ここまで来たので、とりあえず反対派からの反論を待ってみましょうか。












2018年10月29日月曜日

株式を購入するタイミング アマゾン(AMZN)を例に

株式を購入するタイミングについて。

ファンダメンタルズを色々と比較検討し、ある株式を買うことに決めたとして、いつその株式を購入したらいいでしょうか。

もうちょっと待ってみようと思うと株価はみるみる上がり、思い切って買ってしまうとその直後から下がる。

誰かがどこかで覗いているんじゃないか。

そんな経験をよくしました。

本当に困ったものです。

ということで、私の場合は、基本的に検討を踏まえて買おうと思った時に購入することにしました。

勿論、失敗しちゃったな、と思う時もあります。

直近の例でいうと、最近買ったアマゾン(AMZN)などがそうです。

「今回、アマゾン(AMZN)を買い増した理由」参照

9月末に一株US$2,004.41で購入したところ、10月26日現在ではUS$1,642.81と▲18%も下がってしまっています。

やってしまいました。

何がいけなかったのでしょうか。

10月は世界的に株式市場が下落しました。

そして、アマゾン(AMZN)を含めたアメリカのハイテク株も軒並み下落。

更に、アマゾン(AMZN)自体も、10月25日の2018年度第3四半期決算で、売上や来期のガイダンスが市場予想を下回ったということで、発表翌日に▲8%近く下げました。

決算自体は増収増益だったにもかかわらずです。

この経験を受けて、以前読んだことがある John Ryder 氏が書いた「GLOBAL INVESTING  A Guide for New Zealanders 」(2016)という本に書かれていたことを思い出しました。

曰く、ある株式の株価は次の要因の影響度で動くというものです。

50%:株式市場の動き

15%:その株式が属するセクターの動き

35%:その株式自体

確かに、これを踏まえて考えると、今回のアマゾン(AMZN)の動きも納得できます。

株式市場が世界的に下落。

ハイテク株も下落。

アマゾン(AMZN)も下落。

いくらアマゾン(AMZN)自体が良くても、環境がそういう時だったのです。

株式の購入タイミングに話を戻します。

上記を踏まえると、株式市場やセクターが上昇している時は、購入するタイミングは「今」。

現在のように株式市場やセクターが低迷・下落している時は、すぐには買わずに株式市場の下落がはっきりと終わったと確認できるまで待つ。

そういうことになりましょうか。

P.S.今回のアマゾン(AMZN)購入については、長期的に考えれば全く問題ありません。

あーあ、アマゾン(AMZN)、早まっちまったなあ。

もうちょっと待てばよかったなあ。












2018年10月28日日曜日

アルファベット(GOOG)2018年度第3四半期決算発表 増収増益で株価は?

アルファベット(GOOG)2018年度第3四半期の決算発表がありました。

   2017Q3 2018Q3    増       %
    売上    $27,772   $33,740   +$5,968    +21%
営業利益     $7,782    $8,310    +$528     +7%
  純利益     $6,732    $9,192   +$2,460    +37%
一株利益     $9.57    $13.06    +$3.49    +36%

売上は、前年同期比+21%の増収。

営業利益は+7%、純利益は+37%で、希薄後の一株利益も+36%と増益です。

セグメント別の売上はどうなっているのでしょうか。

   セグメント別売上   2017Q3  2018Q3    増        %
       グーグル広告     $24,065   $28,954   +$4,889    +20%
    グーグル広告以外       $3,590    $4,640   +$1,050    +29%
       グーグル合計     $27,655   $33,594   +$5,939    +21%
       グーグル以外        $117      $146     +$29    +25%
   アルファベット合計     $27,772   $33,740   +$5,968    +21%

グーグル検索やユーチューブなどのグーグル広告は、前年同期比+20%の伸び。

クラウドサービスなどのグーグルの広告以外の売上は、前年同期比+29%の伸びとなっています。

自動運転などのグーグル以外の売上は、前年同期比+25%の伸びですが、下表の通りまだ利益を出すには至っていません。

  セグメント別営業利益   2017Q3  2018Q3    増        %
          グーグル      $8,582    $9,490    +$908    +11%
       グーグル以外      ($650)     ($727)     ($77)       -
            不明      ($150)     ($453)    ($303)       -
    アルファベット合計      $7,782    $8,310    +$528      +7%

さて、この増収増益の決算発表を受けて、株価はどのように動いたか。

どうせまたアマゾン(AMZN)みたいに下落したんじゃないのかって?

ご名答です。

前日比で▲2.20%下落しています。

何故でしょう。

   市場予測 2018Q3   差異      %
  売上   $34,050   $33,740    ($310)     (1%)
一株利益    $10.40   $13.06   +$2.66    +26%

曰く、一株利益は市場予想を上回ったものの、売上が1%下回ったから、、、らしいです。

ふーむ。

アマゾン(AMZN)でも言いましたが、別に決算発表もしていないのにフェイスブック(FB)やエヌヴィディア(NVDA)まで下落したのですから、今はハイテク株受難の時なのです。

中には「もうハイテク株の時代は終わった」と言う人もいます。

そんなことはありません。

グーグルのない生活など考えられますか。

中島みゆきの「信じられない頃に」ではありませんが、「そんな頃だっただけなのよ」です。

ということで、最後はこの一言で。

オッケー、グーグル!




2018年10月27日土曜日

アマゾン(AMZN)2018年度第3四半期決算発表 増収増益も株価は下落

アマゾン(AMZN)の2018年第3四半期の決算発表がありました。

     2017Q3    2018Q3       増       %
   売上      $43,744      $56,576      +$12,832     +29%
  営業利益          $347       $3,724       +$3,377     +973%
     純利益          $256       $2,883       +$2,627   +1026%
   一株利益       $0.52        $5.75       +$5.23   +1006%

売上は、前年同期比で+29%。

営業利益は、前年同期比で約11倍、純利益も11倍超、一株利益(希薄後)も11倍超。

どこからどう見ても増収増益です。

  売上内訳    2017Q3    2018Q3       増       %
   北米      $25,446      $34,348      +$8,902    +35%
  北米以外      $13,714      $15,549      +$1,835    +13%
   AWS        $4,584        $6,679        +$2,095    +46%
   合計      $43,744       $56,576     +$12,832    +29%

セグメント別の売上は、北米で+35%、北米以外で+13%、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス=クラウド・ビジネス)で+46%の伸び。

営業利益内訳    2017Q3    2018Q3       増        %
   北米        $112       $2,032      +$1,920   +1714%
  北米以外      ($936)        ($385)        +$551       -
      AWS      $1,171       $2,077        +$906     +77%
      合計        $347       $3,724      +$3,377    +973%

セグメント別の営業利益は、北米で18倍、北米以外はまだ赤字であるものの+551百万ドルの改善、AWSは+77%の伸びを記録しました。

2018年度第4四半期のガイダンスは、売上が66,500百万ドル~72,500百万ドル(前年同期比+10%~+20%)。

営業利益は2,100百万ドル~3,600百万ドル(前年同期も2,100百万ドル)を見込んでいるとのこと。

これを受けての市場の反応は?

10月25日(木)の発表後の時間外取引で急落し、26日(金)の終値も前日比▲US$139.36のUS$1,642.81となりました。

何と▲7.82%の下落です。

曰く、今期の利益は市場予想を上回ったものの、今期の売上と来季のガイダンスが市場予想を下回ったから、とのこと。

屁理屈?

まあ、ハイテク株がそんな時なのかもしれません。

アルファベット(GOOG)もフェイスブック(FB)もエヌヴィディア(NVDA)もみんな下落ですから。

冷静に考えれば、アマゾン(AMZN)自体は従来通り好調です。

とりあえずこういう時は、じっと我慢の子でいることにしましょう。









2018年10月23日火曜日

ニュージーランドの電力マーケットシェア 2018年9月30日現在

ニュージーランドの電力マーケットシェア(市場占有率)を調べてみました。

2018年9月30日現在のICPベースのデータです。

データ元は、Electricity Authority 電力局。

ICPとは、Installation Connection Point 取付接続点ですが、契約数と考えればいいでしょうか。

電力を大量に消費するアルミニウム精錬工場向け契約も1件、我が家との契約も1件とカウントすることになるので、本来は販売電力量ベースがいいのでしょうが、まあご勘弁下さい。

早速、マーケットシェアを見てみましょう。

  電力会社   ICP数    シェア
   GNE    507,363   24%
   CEN   412,550   19%
   MCY   390,391   18%
   MEL    295,190   14%
   TPW   272,025   13%
   その他    250,871   12%
   合 計  2,128,390   100%

何と、5大電力会社が合計で9割近くを占めています。

(5大電力会社=GNE:ジェネシス・エナジー、CEN:コンタクト・エナジー、MCY:マーキュリー・エナジー、MEL:メリディアン・エナジー、TPW:トラストパワー)

この5大電力会社は、発電と販売の両方を手掛けており、Gentailers  と呼ばれています。

Gentailers = Generators(発電者)+ Retailers (販売者)

12%の「その他」にひっくるめてしまいましたが、その中でも筆頭のNOVAなどは、一時期盛んにテレビでCMを流していたので、さぞかし大きなシェアを持っているのかと思っていました。

しかし、マーケットシェアはわずか3.7%。

5大電力会社、まだまだ頑張っています。

調べてみると色々分かって面白いものです。

今回の調査で分かったこと。

ニュージーランドの個人、法人の9割近くが5大電力会社から電気を買っている。

ということで、5大電力会社の株式を保有しているということは、需要の9割を押さえているということで、投資方針として間違っていないということです。





2018年10月22日月曜日

ニュージーランドの電力会社 熾烈な価格競争

我が家の電力はコンタクト・エナジー(CEN)と契約しています。

現在の2年契約がこの10月末で切れるということで、契約更新のお知らせが来ました。

こんなオファーです。



















ニュージーランドでは電力販売は自由化されており、消費者が自由に電力販売会社を選ぶことができます。

従って、価格競争も熾烈です。

消費者の立場としては電力料金が安くなるので大歓迎ですが、電力会社の株主としては儲けが減るのではないかと、否、電力の安定供給に支障が出るのではないかと、気になるところです。

電力料金の比較サイトも、以前はひとつでしたが、今では複数あります。

例えば、

consumer. powerswitch

switch me

などです。

住所やICP(Installation Connection Point)番号など、請求書に書かれているデータを入力すると、最も有利な会社のプランを教えてくれるのでとても便利です。

因みに、私は、5大電力会社(発電も販売も手掛けている)である、

CEN=コンタクト・エナジー

GNE=ジェネシス・エナジー

MYC=マーキュリー・エナジー

MEL=メリディアン・エナジー

TPW=トラストパワー

の株主なので、多少の違いであれば、この5社の中から最も有利な会社を選ぶことにしています。

比較サイトで調べてみたところ、我が家の電力使用量では引き続きコンタクト・エナジー(CEN) が最も有利でした。

また、ちょうどその頃、NOVAという電力販売会社の勧誘員が家に来て試算してくれましたが、勧誘員さんはとてもいい人だったものの、コンタクト・エナジー(CEN) の勝ちでした。

そして、そのコンタクト・エナジー(CEN)が、更に有利な条件を提示してきたのが、冒頭のオファーです。

1.電力料金の22%引き+ガソリン給油代のリッター30セント引き(1回50リットルまで)

2.電力料金の24%引き

どちらが良いか考えてみました。

ひと月50リットル給油のガソリン値引き額は、$0.30x50リットル=$15/月。

$15/月を値引き額の差(24%-22%)である2%で割ると$750/月。

ひと月当たりの電力料金が750ドル以上であれば、2.電力料金の24%引きが有利になります。

しかし、我が家はそんなに使わないので、1.を選択しました。

日本でも最近電力の自由化がなされ、うちの実家も、東京電力から東京ガスに替えて料金が若干や安くなりました。

いいことです。

しかし、東京ガスは電力供給でどんな役割を果たしているのでしょうか。

どうも供給は電力会社におんぶに抱っこで、他人の褌で相撲を取っているような気がしてなりません。

東京ガスに限らず、電力会社以外の電力販売会社は、北海道で起きたような停電が首都圏で起きた時に一体何をしてくれるのか。

まさか、コープさっぽろのように訴訟を起こそうかなどと無責任な対応をされては困ります。

自由化で電力料金が安くなることはいいことです。

しかし、くれぐれも安定供給などに支障がないようにしてもらいたいと思います。

常識破りに安いかわりに腐ったユッケや、安かろ危なかろのスキーバスツアーでは困るのです。

すっかり話が横道にそれてしまいましたが、今回はニュージーランドにおける電力会社の熾烈な価格競争のお話でした。










アーゴシー・プロパティー(ARG) 2019年度決算発表 増収増益

アーゴシー・プロパティー(ARG) が、2019年度の決算を発表しました。 嬉しい増収増益です。 2018年度 2019年度 増減 % 売上(賃貸収入)(百万ドル) $101.0 $102.5 +$1.5 +1% 純利益(百万ドル) $98.2 $133...