2019年5月16日木曜日

オーストラリア4大銀行の不祥事に伴う返金・引当金の総額まとめ



オーストラリアの4大銀行の不甲斐ない決算を見た際に気になったことがあります。

一連の不祥事に伴って、結局、最終的に一体いくらの返金・引当金が発生し、利益を圧縮した(する)のか?

そして、それはいつまで続くのか?

ということで、4大銀行である

ANZ銀行(ANZ)
コモンウェルス・オーストラリア銀行(CBA)
ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)
ウェストパック銀行(WBC)

の決算資料から、2019年3月31日時点の数字をまとめてみました。

(決算時期の違いから、ANZ、NAB、WBCは2019年度上半期決算資料、CBAは2019年度第3四半期決算資料を参照しました)

2018年度まで2019年度以降合計
ANZ$753$873$1,626
CBA$1,178$996$2,174
NAB$145$1,102$1,247
WBC$1,445$896$2,341
合計$3,521$3,867$7,388

まずANZは、2017~2018年度の2年間で753百万ドルを支払い、2019年度以降は合計で873百万ドルの負担(上期で175百万ドルの支払いと、3月末で698百万ドルの引当金計上)、合計で1,626百万ドルとなっています。

次にCBAは、2014~2018年度の5年間で1,178百万ドルを支払い、2019年度以降は合計996百万ドルの負担(上半期で282百万ドル、第3四半期で714百万ドル)、合計で2,174百万ドルとなっています。

そしてNABは、2018年度で145百万ドルの支払い、2019年度以降は2019年3月末に1,102百万ドルの引当金を計上し、合計で1,247百万ドルとなっています。

最後にWBCは、2016~2018年度の3年間で1,445百万ドルを引当て、2019年度以降は2019年3月末で896百万ドルの引当金を計上、合計では2,341百万ドルとなっています。

そして4大銀行合計では、2018年度までで3,521百万ドル、2019年度以降で3,867百万ドル、合計では何と7,388百万ドルに達しています。

途方もない金額です。

この問題はいつ収束するか未知数ということで、2022年度まで4年はかかるという意見や、負担額は10、000百万ドルに達する可能性があるという報道も見られます。

これからも要チェックです。


2019年5月15日水曜日

ANZ銀行(ANZ)2019年度上期決算発表 減収減益だが現金ベースでは増益



ANZ銀行(ANZ)が、2019年度上期の決算を発表しました。

減収減益でしたが、現金ベースでは減収ながらも増益となっています。

まずは法定決算ベースから。

2018年度上期2019年度上期増減伸び率
利息収入 (百万A$)(NET)$7,350$7,299-$51-1%
その他収入 (百万A$)$2,887$1,994-$893-31%
営業収入合計 (百万A$)$10,237$9,293-$944-9%
営業利益 (百万A$)$5,356$4,536-$820-15%
純利益 (百万A$)$3,323$3,173-$150-5%
1株当たり利益(Aセント)108.6106.4-2.2-2%

営業収入は前年同期比▲9%、営業利益が▲15%、純利益が▲5%、そして1株当たり利益が▲2%と全てがマイナスでした。

住宅価格の低迷、低金利、是正金の支払い等、銀行業界への逆風が吹き荒れています。

次に現金ベースの数字を見てみましょう。

現金ベース2018年度上期2019年度上期増減伸び率
現金利息収入 (百万A$)(NET)$7,350$7,299-$51-1%
現金その他収入 (百万A$)$2,520$2,447-$73-3%
現金営業収入合計 (百万A$)$9,870$9,746-$124-1%
営業利益 (百万A$)$4,989$4,988-$10%
現金ベース純利益 (百万A$)$2,876$3,514$63822%
現金ベース1株当たり利益(Aセント)94.2116.822.624%

前年同期の数字が悪かったことから、営業収入は前年同期比▲1%だったものの、営業利益は±0%で、純利益は+22%、1株当たり利益は+24%となっています。

部門別の数字を見るために、継続事業の現金ベース純利益を見てみます。

(継続事業だけの数字なので上記表の現金ベース純利益とは数字が異なります)

継続事業 現金ベース純利益 部門別内訳2018年度上期2019年度上期増減伸び率
オーストラリア$1,983$1,733-$250-13%
機関投資業務$767$1,012$24532%
ニュージーランド$749$753$41%
ウェルス・オーストラリア-$26-$30-$4-15%
太平洋$33$33$00%
TSO&グループセンター-$13$63$76585%
継続事業 現金ベース純利益合計 (百万A$)$3,493$3,564$712%

すると、前年同期比でマイナスなのは、オーストラリア部門とウェルス・オーストラリア部門であることが分かります。

その他は前年同期と同等か増益です。

特に、機関投資業務は+32%の増益となっています。

気になる是正金の支払いは、以下の通りです。

(個人的な感想ですが、ANZ銀行の資料は知りたい数字が分かりやすく表示されていて、好感が持てます)

決算期是正金支払い金額
2017年度上期$51
     下期$102
2018年度上期$67
     下期$533
2019年度上期$175
累計$928
引当金(2019.3.31)$698
合計$1,626

是正金支払いは2年前から始まっており、累計では928百万ドルが支払われています。

そして、2019年3月31日現在、バランスシートには698百万ドルの引当金が載っているとのこと。

最終的には、この合計額の1,626百万ドルで済むのでしょうか。

まだまだ逆風は吹き続けるようですが、ここは忍の一字で、状況が好転するまで粛々と配当金を受け取っていきたいと思います。

今期の中間配当も、前期と同様の80セントで、7月1日に支払われます。



2019年5月13日月曜日

ウェストパック銀行(WBC) 2019年度上期決算発表 大幅減収減益



ウェストパック銀行(WBC) が、2019年度上期の決算を発表しました。

大幅な減収減益でした。

2018年度上期2019年度上期増減伸び率
利息収入 (百万A$)(NET)$8,278$8,263-$150%
その他収入 (百万A$)$2,805$1,716-$1,089-39%
営業収入合計 (百万A$)$11,083$9,979-$1,104-10%
営業利益 (百万A$)$6,035$4,555-$1,480-25%
純利益 (百万A$)$4,198$3,173-$1,025-24%
1株当たり利益(Aセント)123.792.3-31.4-25%

利息収入は対前年同期比でほぼ横だったものの、その他収入は▲39%で、営業収入合計で▲10%の減収でした。

営業利益も対前年同期比▲25%、純利益も▲24%。

1株当たりの利益も▲25%です。

現金ベースの数字も一応見てみましょう。

現金ベース2018年度上期2019年度上期増減伸び率
現金利息収入 (百万A$)(NET)$8,717$8,389-$328-4%
現金その他収入 (百万A$)$2,522$1,714-$808-32%
現金営業収入合計 (百万A$)$11,239$10,103-$1,136-10%
中核利益 (百万A$)$6,548$5,062-$1,486-23%
現金ベース純利益 (百万A$)$4,251$3,296-$955-22%
現金ベース1株当たり利益(Aセント)125.095.8-29.2-23%

もう敢えて数字はあげませんが、法定発表ベースと同様に、相当な減収減益です。

どうしてこんなことになったのか。

現金ベース純利益を部門別に見てみましょう。

(尚、下表の数字の一部には私の推測が入っていますが、悪しからず)

現金ベース純利益 部門別内訳2018年度上期2019年度上期増減伸び率
個人向け銀行業務$1,701$1,514-$187-11%
企業向け銀行業務$1,080$1,013-$65-6%
BTフィナンシャル・グループ(保険等)$406-$305-$711-175%
機関投資業務$554$543-$11-2%
ウェストパック・ニュージーランド$510$531$194%
現金ベース純利益合計 (百万A$)$4,251$3,296-$955-22%

1.個人向け銀行業務の▲11%は、調達コストの増加とローン・スプレッドの縮小による金利マージンの低下が原因とのこと。

2.企業向け銀行業務の▲6%には、顧客への返金等のために131百万ドルが引当てられており、それを除けば前年同期比+6%であったとのこと。

3.保険や年金を扱っているBTフィナンシャル・グループの▲175%には、620百万ドルの是正金等が含まれており、それを除くと前年同期比▲22%であったとのこと。

そして、その▲22%の要因は主に悪天候による保険金支払いによるものとのこと。

4.機関投資業務の▲2%は、主に金融市場収入の減少が要因であるとのこと。

5.ニュージーランドでの業務は、ローンと預金の両方が伸びて、前年同期比プラスとなったとのこと。

こうして見ると、返金費用や法律関連費用の影響は、2.の引当金131百万ドルと3.の是正金620百万ドル。

その他は、低金利や当局の規制によるコスト増、悪天候による要因のようです。

顧客への返金や是正金の支払いは、あといくら残っていて、いつまで続くのでしょうか。

今回の発表を受けて、クレイグス証券はウェストパック銀行を「売却」とし、フォーサイスバー証券は「保有」を継続しています。

私個人としては、この低金利時にとりあえず6%超の配当があるということで、保有を継続したいと思っています。

因みに、今回の配当は不変の94セントで、6月24日に支払われます。

そして、配当再投資に申し込んであれば、市場価格の1.5%ディスカウントで購入することができます。

もちろん手数料無料です。




2019年5月8日水曜日

ニュージーランド政策金利 1.50%に引き下げ 2019年5月



ニュージーランド政策金利が、1.75%から1.50%に▲0.25%(ポイント)引き下げられました。

史上最低金利の更新です。

物価上昇が、目標としている数値の中心値である2%を下回っていることが理由とのこと。

ウェストパック銀行によると、6月あるいは8月の更なる利下げの可能性は低く、もし利下げがあるとすれば今年後半になるのではないか、とのことです。

世界経済も米中の貿易戦争などで不透明なこともあり、しばらくはこの低金利は続きそうです。

為替ですが、今回の利下げを受けて、NZD/USDは一時0.6526まで下落しました。

長期的に見ると、かなりNZドル安といえるでしょう。

また、JPY/NZDも、一時的に71.828まで急落しました。
長期的にはこんな感じのポジションです。

この次の動きも利下げだとすると、もう少しNZドル安が進む可能性は高いといえるでしょう。

しばらく金利収入は低迷が続くことになりそうですが、個人的にはUSドルの配当をいつNZドルに換金するかという関心があります。

とりあえず今年後半の利下げの動向を注視していこうと思っています。


2019年4月17日水曜日

ウェルズ・ファーゴ銀行 (WFC) 2019年度第1四半期決算発表 減収増益



ウェルズ・ファーゴ銀行 (WFC) が、2019年度第1四半期の決算発表を発表しました。

減収増益でした。

純利息収入は前年同期比で+0.6%と微増でしたが、その他収入が▲4.1%と減少し、総収入としては▲1.5%の減収となりました。

2018Q12019Q1増 減
純利息収入(百万)$12,238$12,311$730.6%
その他収入(百万)$9,696$9,298-$398-4.1%
総収入(百万)$21,934$21,609-$325-1.5%

一方、純利益は前年同期比で+14%と増益です。

希薄化一株利益も+36%と増益となり、配当も+15%のUS$0.45となりました。

2018Q12019Q1増 減
純利益(百万)$5,136$5,860$72414%
一株利益$0.96$1.20$0.2436%
一株配当$0.39$0.45$0.0615%

その結果、株価はどのように動いたか?

減収とはいえこれだけ増収していれば株価も上がったかと思いきや、そうは問屋が卸しません。

前日比▲US$1.25のUS$46.49と、▲2.62%の下落となりました。

その理由は、また例によって「市場予想に届かなかった」のようです。

FRBの利上げ停止で、銀行業界はもうしばらく 鳴かず飛ばずの状況が続くのかも知れません。

利回りも、3.87%(US$0.45x4÷US$46.49)と中途半端ですが、ここは我慢の一字でUS$が強くなるのを待ちたいと思います。




アーゴシー・プロパティー(ARG) 2019年度決算発表 増収増益

アーゴシー・プロパティー(ARG) が、2019年度の決算を発表しました。 嬉しい増収増益です。 2018年度 2019年度 増減 % 売上(賃貸収入)(百万ドル) $101.0 $102.5 +$1.5 +1% 純利益(百万ドル) $98.2 $133...